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ストレスチェックから始める職場の活性化 / STRESCOPE
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新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに広がった「テレワーク」という働き方は、現在も多くの企業で定着しつつあります。一方で、感染状況の落ち着きや業務特性の見直しを背景に、テレワークから出社へシフトする動きも徐々に見られるようになりました。
テレワークには、通勤時間の削減や柔軟な働き方が可能になるといったメリットがありますが、その一方で、孤立感の高まり、コミュニケーション不足、長時間労働の増加など、テレワーク特有のストレス要因も明らかになってきています。
またストレスやメンタルヘルスのみならず、総合的な意味での生産性を向上させ組織として成果を生み出すために、テレワークと出社のどちらが適しているのか、どの程度のバランスが最適なのかは議論が分かれるところです。会社の業務内容や従業員の生活環境、個人の好みなどによって大きく変わる部分もあり、どちらか一方が“絶対に良い”と言えるものではなく、働く環境に応じて柔軟に対応していくことが求められます。
そのため、人事・労務担当者にとっては、働き方が多様化する今、出社・テレワークのいずれの環境でも従業員の心の健康をどう守るかが重要なテーマになっています。
本コラムでは、国内外の研究や調査データをもとに、テレワークがメンタルヘルスに与える影響を整理しながら、現場で活かせるストレスチェックの活用ポイントをわかりやすく解説します。
・テレワークを導入したものの、メンタルヘルスへの影響がつかめていない
・テレワークから出社への切り替えを検討している
・これからテレワーク制度を導入しようとしている
といった企業のご担当者様にとって、本記事が「テレワークのメリットと課題を理解し、適切な対策を考える」ための一助になれば幸いです。

テレワークのメンタルヘルス上の最大のメリットの一つが「通勤ストレスの軽減」です。日本の都市部、とりわけ首都圏では、満員電車や長時間通勤が、強い慢性的なストレスとなっています。海外の研究でも、通勤時間が120分を超える人は30分未満の人に比べ、抑うつのリスクが約1.3倍高いと報告されています。
テレワークによって通勤が不要になることは、このような慢性的なストレス源から従業員を解放し、メンタルヘルスの維持・改善に寄与すると考えられます。
睡眠とメンタルヘルスには密接な関連があり、十分な睡眠時間を確保することは心身の健康に不可欠です。テレワークでは通勤時間が不要になる分、睡眠に充てられる時間が増え、メンタルヘルス不調のリスク低減が期待できます。
【睡眠とメンタルヘルスの関連記事はこちら】
・睡眠とメンタルヘルスの深い関係とは?今日からできる“体を整える睡眠習慣”の実践ポイント
テレワークは、育児や介護など家庭責任を担う従業員にとっても、仕事との両立をしやすくする働き方です。柔軟な働き方は、仕事と家庭の両立に伴う葛藤(ワーク・ファミリー・コンフリクト)を軽減し、心理的余裕や生活満足度の向上につながることが複数の研究で示されています。1)2)
1)Work-Family Conflict and Flexible Work Arrangements: Deconstructing Flexibility
2)The Good, the Bad, and the Unknown About Telecommuting: Meta- Analysis of Psychological Mediators and Individual Consequences
また、自宅で過ごす時間が増えることで、家族との関係性が深まり、精神的な安定感や満足度が高まる傾向も報告されています。こうした環境は、仕事に対するモチベーションや生産性の向上にもつながり、結果的に企業全体のパフォーマンス向上にも寄与すると考えられています。
テレワークでは、働く時間帯や場所をある程度自分で決められるため、「仕事を自分でコントロールしている」という自律性の感覚が高まりやすくなります。自律性の向上は内発的動機づけや仕事のエンゲージメントと関連しており、仕事満足度の向上につながることが知られています。
【仕事のコントロールに関する記事はこちら】
・ストレスチェックを健康経営に活かす!集団分析結果の活用方法~仕事のコントロールが低い職場編~
オフィス勤務では、上司や同僚の視線、不要な雑談、空気を読むプレッシャーなど、業務とは直接関係のない対人ストレスが発生しがちです。テレワークは、こうした「対人ストレス」から一定の距離を取ることができ、感情労働や社会的過負荷を軽減する効果が期待できます。
当社が提供するストレスチェックサービス(STRESCOPE)は、東京医科大学と連携し、テレワークと労働生産性、心身のストレス反応を調べる調査を行いました。
業務負荷や上司・同僚からのサポート、睡眠状況といった関連因子の影響を統計的に調整したうえで分析した結果、テレワークの導入により1.2~1.6倍の確率(調整済オッズ比)で、心身のストレス反応が軽減されることが示されました。
一方で、週5日ともフルリモートで働く従業員では、心身の不調によって生産性が低下する「プレゼンティーイズム」の発生リスクが高まる可能性も指摘されており(調整済オッズ比1.4)、テレワークの運用方法によってメンタルヘルスへの影響が大きく変わることがわかります。

テレワークによる生活習慣の変化は、メンタルヘルスに負の影響を及ぼすことがあります。業務終了時間が遅くなったり、起床時間が乱れたりすると生活が夜型化し、睡眠の質や量が低下しやすくなります。また、日中に外出する機会が減ることで日光を浴びる時間が短くなり、体内時計の乱れやセロトニン低下を通じて気分障害のリスクが高まるとされています。
さらに、自宅中心の生活では身体活動量が減少しやすく、運動不足自体が抑うつ症状やメンタルヘルス不調のリスクを高めることも指摘されています。
【運動とメンタルヘルスに関する記事はこちら】
・【従業員のセルフケア促進に向けて】メンタルヘルスと運動の関係
テレワークでは、出社時に当たり前のようにあった雑談や偶発的なコミュニケーションが大きく減少します。同僚との何気ない会話や対面での励ましなどの「社会的サポート」は、ストレスに対する重要な緩衝要因ですが、それが失われることでストレスへの脆弱性が高まります。
アメリカ心理学会(APA)や米国公衆衛生局は、社会的孤立を喫煙や肥満に匹敵する健康リスク要因と位置づけており、うつ病や不安障害のリスクを高めると報告しています。5)6)国内でも、テレワーク実施者の約3割が「孤立を感じている」と回答した調査結果があり、特に一人暮らしや新入社員など、職場の人間関係がまだ十分に構築されていない層では注意が必要です。
5)Loneliness and social isolation as risk factors for mortality: a meta-analytic review – PubMed
6)Our Epidemic of Loneliness and Isolation
「テレワークとメンタルヘルス」の文脈でよく問題になるのが、仕事と私生活の境界が曖昧になることによる長時間労働と疲労の蓄積です。自宅がそのまま仕事場となるため、オンとオフの切り替えが難しくなり、「もう少しだけ」と仕事を続けてしまう状況が生じやすくなります。
ヨーロッパで行われた調査では、テレワーク実施者はオフィス勤務者に比べて長時間労働になりやすく、休息時間が不十分になりやすい傾向が報告されています。こうした境界線の曖昧化は、慢性疲労やバーンアウト(燃え尽き症候群)のリスクを高める要因となります。
オンラインでのコミュニケーションは、対面に比べて表情や視線、雰囲気といった非言語情報が伝わりにくく、誤解や行き違いが生じやすい特徴があります。また、雑談や雑情報が減ることで、組織の動きや上司の意図といった「暗黙の情報」が入りにくくなり、「自分だけ情報から取り残されているのではないか」という不安につながる場合もあります。
こうした情報の偏りは、心理的安全性やチームへの帰属意識を低下させる要因となり、結果としてメンタルヘルスへの負担を高めることが懸念されます。
テレワーク下のメンタルヘルス対策で、人事・労務担当者が特に意識したいのが「ストレスチェック集団分析」の活用です。ストレスチェック制度は、単に個人の高ストレス者を把握するだけでなく、集団分析によって職場環境や働き方の課題を可視化することに大きな意義があります。
完全在宅勤務、ハイブリッドワーク、オフィス勤務など、勤務形態によってストレスの傾向は大きく異なります。ストレスチェックの集団分析では、勤務形態ごとに結果を比較し、それぞれに適した対策を検討することが重要です。
テレワークでは、上司から部下の業務状況が見えにくく、業務量の偏りや過重労働が表面化しにくいという課題があります。そのため、「仕事の量的負担」や「仕事のコントロール(裁量度)」に関する指標は、テレワーク環境におけるストレス要因を把握するうえで特に重要です。
自宅の作業環境(デスク・椅子・照明・空調など)が不十分な場合、身体的負荷や集中力低下を通じて、心理的ストレスを間接的に高める可能性があります。ストレスチェックの自由記述欄や面談を通じて、物理的な職場環境に関する課題も拾い上げることが望まれます。
参考:【職場巡視にも活用できる!】物理的な職場環境改善実践ガイド
テレワーク導入初期と制度が定着した後では、従業員が感じるストレスの種類や強度が変化します。ストレスチェックの結果を毎年比較し、「テレワーク導入前後」「導入初期と現在」などの経年変化を追跡することで、組織としての適応状況や新たな課題を把握しやすくなります。

ここまで見てきたように、「テレワークとメンタルヘルス」の関係は一枚岩ではなく、ポジティブ・ネガティブ双方の側面があります。人事・労務担当者としては、ストレスチェック結果と現場の状況を踏まえ、次のような対策を組み合わせていくことが重要です。
自然発生的なコミュニケーションが減少するテレワーク環境では、意図的にコミュニケーションの機会を設計する必要があります。
海外の研究では、週1回以上の1on1ミーティングを実施している組織では、従業員のエンゲージメントが高くなることが報告されています。
1on1ミーティングの定期実施、チームでのオンライン朝会や夕会、業務外の雑談の場を制度として組み込むことが効果的です。
Googleのプロジェクト・アリストテレスでも示されたように、チームの生産性やメンバーのウェルビーイングには「心理的安全性」が重要です。オンライン環境では、発言のハードルが上がりやすいため、意識的に心理的安全性を高める取り組みが必要です。
具体的には、会議でのファシリテーション技術の向上、全員が発言する機会の確保、失敗を責めない文化の醸成などが挙げられます。
【心理的安全性の関連記事はこちら】
・心理的安全性が保たれた職場環境とは?人事・労務担当者が押さえておきたい考え方と対応策
・心理的安全性を高める“傾聴”スキル「実践ガイド」
「つながらない権利」の明文化
ヨーロッパ諸国では、勤務時間外のメール送信やチャット連絡を制限する「つながらない権利」を法制化する動きがあります。日本でも企業ごとに、勤務時間外の連絡ルールを明確にし、従業員が罪悪感なく休息できる環境を整えることが有効です。
定期的な休暇取得の推奨
テレワーク環境では、通勤がないことで「休暇を取らなくても大丈夫」と感じる従業員が増える傾向があります。しかし、心身の回復には、仕事から完全に離れる休暇が不可欠です。計画的な休暇取得を推奨し、休暇の取得率をモニタリングすることが重要です。
運動不足を解消するため、オンラインでのヨガ教室、ストレッチセミナー、ウォーキングチャレンジなど、従業員が場所を問わず参加できる健康促進プログラムを提供することが有効です。
EAP(従業員支援プログラム)の充実
専門のカウンセラーによるオンライン相談窓口を設置し、従業員が気軽にメンタルヘルスの相談ができる体制を整えることも重要です。
従業員のメンタルヘルスリテラシーの向上
管理職向けに、部下のメンタルヘルス不調の早期発見とその対応方法に関する研修を実施することが効果的です。オンラインでは不調のサインが見えにくいため、「最近反応が遅い」「会議で発言が減った」「業務の質が低下している」といった間接的なサインに気づく力を養う必要があります。
また、従業員自身がセルフケアの知識を持つことも重要です。ストレス対処法、睡眠衛生、認知行動療法の基本的な考え方などを学ぶ機会を提供することで、予防的なメンタルヘルスケアを促進できます。
【関連記事はこちら】
・職場における実践的なストレスコーピングとメンタルヘルス対策【認知行動療法についても解説】~前編~
・職場における実践的なストレスコーピングとメンタルヘルス対策【ストレスチェックの活用方法についても解説】~後編~

海外の調査では、完全な在宅勤務よりも「オフィス勤務とテレワークを組み合わせたハイブリッドワーク」が、メンタルヘルスやエンゲージメントにとって望ましい結果につながる可能性が示されています。対面でのコミュニケーションと、自律性の高い働き方の両方をバランスよく取り入れられる点がその理由と考えられます。
テレワーク中心から出社へ回帰しようとする企業も増えつつありま。こうした動きも含め、働き方の選択肢が広がる今、人事・労務担当者には、一律の働き方を押し付けるのではなく、業務特性や従業員の状況に応じて、柔軟に選べる制度設計が求められます。
テレワークの普及は、単に働く場所が変わっただけではなく、働き方やマネジメントの在り方そのものを問い直すきっかけとなりました。人事・労務担当者には、メンタルヘルス対策を「問題発生後の対応」ではなく、「従業員のウェルビーイングを高めるための投資」として位置づける視点が求められます。
ストレスチェック制度は、そのための有効なツールです。テレワーク下のストレス要因を見える化し、集団分析の結果をもとに職場環境を改善していくことで、「どこで働いていても安心して力を発揮できる組織づくり」が可能になります。
テレワークとメンタルヘルスの関係を正しく理解し、科学的なデータと現場感覚の両方を踏まえたメンタルヘルスマネジメントを進めていくことが、これからの人事・労務担当者に求められる重要な役割と言えるでしょう。
当社のストレスチェックサービス【STRESCOPE(ストレスコープ)】は、単なる調査の実施にとどまらず、良好な職場づくりを実現するための心強いパートナーとして、多くの企業様にご利用いただいております。STRESCOPEでは、専任のプランナーが「会社と従業員が率直に対話できるきっかけ」を生み出し、その一歩をサポートします。
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表面的な結果だけでは見えない、組織の深層にある課題をデータに基づいて可視化します。テレワークが進むなかでも見えにくくなった「コミュニケーションの質」や「働き方の偏り」「在宅勤務時の作業環境」など、オフィス勤務とは異なる新たなストレス要因についても的確に把握できます。
任意の切り口でのカスタマイズ分析:
テレワークやフレックスタイム制の適用有無など、様々な切り口でストレスチェックの回答結果を分析できます。今までには見えていなかった新たな視点が見つかるかもしれません。
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ストレスチェック実施後の施策実行状況の共有や、更なる改善に向けたご提案など、継続的な職場環境改善をサポートします。テレワーク環境下における職場環境改善のご提案も可能です。
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