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【2024年保存版】ストレスチェック集団分析の効果的な活用方法/前編

従業員50人以上の事業所における集団分析の活用率は58%

厚生労働省の「平成30年 労働安全衛生調査(実態調査)結果」によると、従業員50人以上のストレスチェックを実施している事業所で、集団分析が利用されている割合は58%に達しています。

約6割の事業所が活用しており、500名以上の企業に限ってみると70%以上の活用率です。
これは多くの企業が従業員のメンタルヘルス対策に注目していることを示しています。集団分析を通じて職場のストレスの原因チェックや環境改善の手がかりを得ることは、企業にとって重要な従業員のメンタルヘルス対策です。

衛生委員会でのストレスチェック集団分析の効果的な活用方法を解説

「今年こそは、ストレスチェック集団分析を放置しないでうまく活用したい!」と考えている担当者も多いでしょう。
今回は、集団分析を実施しているが未活用、もしくは、うまく活用できているかどうかわからないというご担当者向け(中小企業向け)に、衛生委員会での活用法をご提案したいと思います。
お伝えしたい内容が多いため、コラムを前編と後編の2回に分けてご提供します。
それでは、どのような活用方法が多いのかについてのデータからみていきましょう。

集団分析結果の最も一般的な活用方法は?

実態調査では「衛生委員会、または安全衛生委員会での審議」を挙げた事業所が最も多く、次いで「残業時間削減・休暇取得への取り組み」が多く挙がりました。

こちらのデータは、複数回答可という条件のため、いくつかの活用法を組み合わせている事業所もあります。事業所の規模や業種、マンパワーによって最適な活用法は異なるという前提を踏まえた上で、ここでは、衛生委員会での活用が一番多い理由を考えていきます。

ストレスチェックの集団分析結果が活用される4つの理由

衛生委員会でストレスチェックの集団分析結果が活用される理由は以下の4点です。

1. 衛生委員会の審議事項として重要

従業員のメンタルヘルスの保持増進を図るための対策に関することは、衛生委員会の審議事項として、労働安全衛生規則にも記載されています。 ストレスチェックの 集団分析結果は職場全体のストレスの状況や健康リスクを把握するのに役立ちます。

審議事項について

2. 法令遵守とレポーティング

ストレスチェックの実施は法律(労働安全衛生法第66条の10)で義務付けられており、集団分析に関しては努力義務ではあるものの、その結果の分析や報告が議事録として保管されることはとても有意義です。

法令遵守について

3. メンタルヘルス対策のリスク管理

事業所全体でのストレスチェック結果が良好であっても不良であっても、高ストレス者が相対的に多い部門や職種を特定したり、経年変化をモニタリングして対応策を検討することで、健康リスクの予防や生産性の向上につなげることができます。

4. 既存の仕組みの活用

既に存在する仕組みである衛生委員会を活用することで、 新たな合議体やプロジェクトを立ち上げるよりもスムーズに進められます。
また、衛生委員会メンバーは一般従業員の代表であるため、 従業員参加型で職場環境改善を議論するのに適しています。

衛生委員会は集団分析結果の活用の場として適している

これらの理由から、衛生委員会は集団分析結果の活用の場として適しています。特に、職場の衛生に関わる既存の仕組みであるということが大きな強みです。従業員の意見を直接反映させながら、職場の健康と安全に関する問題を共有し、解決策を探求できます。
この解決策探求が「職場環境改善」の第1歩です。

それでは「職場環境改善」とは何でしょうか?

「職場環境改善」= 組織レベルでの労働環境への介入

「職場環境改善」は、組織レベルで労働環境に介入することを指します。さまざまな科学的根拠から、この職場環境改善がメンタルヘルス対策に有効であることが分かってきています。

ここでは衛生委員会を利用した職場環境改善の進め方についてお話しをしていきますが、実は、活動にあたって下準備が重要であることが、日本の企業における幾つかの良好事例を通して分かっています。そこで、職場環境改善に取り組む前の下準備として知っておいていただきたいことをご説明していきます。

集団分析の結果だけでなく、さまざまな社内データを合わせて評価する

職場のメンタルヘルスについては、多角的な情報を用いて論じることが非常に重要です。これには、以下のような情報が含まれます。

– 社内サーベイランスデータ(これまでの集団分析結果、従業員アンケート、満足度調査、意識調査など)
– ハラスメント相談窓口の状況
– 産業医や保健師などの医療職からの意見
– 人事面談情報
– メンタルヘルス関連の社内計画案(こころの健康づくり計画など)

集団分析結果だけで議論をせずに、これらと合わせてメンタルヘルスの評価を行っていきましょう。

議論や取り組みの目的を「生産性向上」や「いきいき職場づくり」に置く

メンタルリスクをなんとかしようという切り口よりも、「生産性向上」や「いきいき職場」を目標に設定し議論する方が、前向きで建設的な議論が行われやすくなります。

社内に「心の健康づくり計画」があれば、数年に一度の見直しと合わせて議論するのも一つの方法です。

事前に関係部署内で了承を得ておく

衛生委員会での展開方法を責任者に提案し、了承を得ることでスムーズに進められます。
人事部門で話し合うことができる環境があれば、衛生委員会での共有内容と提案内容を事前に話し合っておくことがベターです。しっかりとした計画提案をしようとすると大きな労力がかかるため、まずは、トライアル的な実施を提案することがお勧めです。

新しい施策には反発も覚悟する

新しい取り組みには、反発はあって然るべきものと考えましょう。
「ただでさえ忙しいのに…」といったクレームを言う人ほど目標志向がしっかりしていて、目的が不明瞭なことはやりたがらない傾向があります。
「生産性向上の観点での取り組みであること」「効果が見えるまで時間がかかること」をしっかりとお伝えし、協力を要請しましょう。

ストレスチェック集団分析の具体的な衛生委員会での進め方

集団分析結果の共有から職場環境改善へは、例えば以下のように進めていきます。

集団分析結果の概要を共有する

結果の解釈と活用には専門的な知見が必要ですが、専門家を招いてのフィードバックとなると、新たな予算を組むことなど幾つかハードルが生じます。ここでは初歩的な取り組みとして、衛生管理者や実施事務従事者から概要を共有する方法について説明します。このプロセスまでは、多くの事業所が毎年実施しています。

具体的な共有内容には、以下の項目が含まれます。

– 受検率(有効受検者数/受検対象者数)
– 高ストレス該当率(割合と対象人数)
– 高ストレス面談利用率(利用者数)
– 集団分析結果に関する専門職(産業医・保健師・心理士など)の総括意見
– 仕事のストレス判定図の経年変化や部署別年齢別分析結果の概要
– 極端に良好または不良な点がある場合はその概要

極端に良好または不良な点がなければ、特にそれらを強調しなくても構いません。
不良な点の議論から始めると発想がネガティブになりやすいので、まずは良い点の拡大に焦点を当てるとよいでしょう。

衛生委員会メンバーから取り組み事例やアイデアを集める

結果の概要説明が終わったら、こうしたデータを踏まえた上で、次回の衛生委員会でいきいき職場づくりのための議論を行うことを伝えます。
そして、次回までに行ってほしい宿題を2つお願いします。

(1)自分の部署でうまくいっている業務改善施策を3つ探すこと
(2)「職場環境改善のヒント集」シートへ記入すること

(1)についてはあまり難しく考えず、小さい施策で構わないので挙げてもらうようにしましょう。
見つけた施策の共有方法は、箇条書きにしたり写メを撮るなど、メンバーの負担が少なく済む方法を選ぶことがお勧めです。

業務改善施策の例
– エアコンの冷風除けを工夫
– スケジュールを見える化するためのホワイトボードを導入
– ミーティングテーブルを導入
– 席替え
– 加湿器係を当番制にした

(2)については、アクションチェックリストに、記入してきてもらいます。
こちらの資料は、平成15年度厚生労働科学研究ワーキンググループが作成した「職場環境などの改善方法とその支援方策に関する研究」 アクションチェックリストを表形式にし、一部改変したものです。以下に記入例を示します。

職場改善のヒント集記入例_説明あり

(1)(2)とも、次回の衛生委員会の1週間前までに提出してもらいましょう。
その後の展開については、次回のコラムで詳しくご説明します。お楽しみに。
(続編記事【2024年保存版】ストレスチェック集団分析の効果的な活用方法/後編はこちらから

むすび

この記事では、集団分析の初歩的な活用について見てきました。
まず、衛生委員会で集団分析結果を共有し、その後で委員会メンバーに宿題を出すという流れです。

「職場環境の改善」は手段に過ぎず、その目的は生産性の向上や活気のある職場を実現することです。目的(大きな川を渡る)を達成するためには、手段(橋を架ける)が必要です。天候が工事を難しくするように、現在が橋を架けるタイミングではない事業所もありますし、さまざまな事情で目的と手段が一致しない事業所も存在するかと思います。

自社の状況を考慮しつつ、勇気を持って宿題を出す「しかけづくり」に挑戦してみてください。
次回の記事では、宿題をどのように衛生委員会で活用するかについてのノウハウを、さらに詳しく解説します。

田中倫子(産業保健師) 監修


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