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ストレスチェックから始める職場の活性化 / STRESCOPE
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ストレスチェックの集団分析を見ていると、「家族や友人からの支援が少ない」と回答する従業員が一定数存在することがあります。
この結果を前に、多くの人事・労務担当者は戸惑いを感じるのではないでしょうか。なぜなら、職場環境や業務内容に関する項目であれば改善策も見えやすいものの、従業員のプライベートな人間関係については、「会社としてどこまで関与できるのか」「何かできることはあるのか」と悩む方が多いためです。
たしかに、家族関係や交友関係は企業が直接介入できる領域ではありません。
しかし、従業員の生活の一部であるプライベートな時間と仕事のストレスは、決して切り離せるものではないのです。
むしろ、家庭や友人などの「社会的支援」の有無は、メンタルヘルスの維持やストレス対処力、さらには職場でのパフォーマンスにも深く関わっています。
実際、社会的支援が乏しい状態は、孤立感や心理的負担を強め、結果的に職場での不調や生産性低下につながるリスクを高めることが指摘されています。したがって、「家族・友人の支援が低い」という結果を「プライベートな問題だから」と見過ごすことは、従業員の健康面・組織の活力の両面から見て得策ではありません。
本コラムでは、会社としてどのような支援やアプローチが可能なのか、実践的な視点で考えていきます。
ストレスチェックにおける「家族や友人による支援の少なさ」を適切に理解するため、まずのどの設問で、何を測っているかを確認します。
ストレスチェックは一般的に57項目の設問から成りますが、この設問は大きく分けると以下の3つの領域から構成されます。
1.ストレスの原因と考えられる因子
2.ストレスによって起こる心身の反応
3.ストレス反応に影響を与える他の因子
「家族や友人の支援」はこのうち「3.ストレス反応に影響を与える他の因子」のなかの1つの尺度とされています。
家族や友人の支援に関する設問には、以下の3つの設問が該当します。
・配偶者、家族、友人等はどのくらい気軽に話ができますか
・困ったとき、配偶者、家族、友人等はどのくらい話を聞いてくれますか
・あなたが困っているとき、配偶者、家族、友人等はどのくらい頼りになりますか
つまり家族や友人の支援というのは、 単なる交友関係の広さではなく、「安心して自分の気持ちを表現できる関係性の有無」を意味しています。
この3つの設問に対し、それぞれ以下4つの選択肢の中から1つ回答します。
なお1つの選択肢に対し、それぞれ点数が以下の通り決められています。
・非常に…………1点
・かなり…………2点
・多少……………3点
・全くない………4点
そこで、設問に対する3つのそれぞれの回答から決まった計算式(参考:厚生労働省ストレスチェックマニュアル)を用いて計算し、家族や友人の支援の程度を明らかにします。

職場で発生するメンタルヘルス関連疾患のリスク要因を包括的に捉えるモデルとして、NIOSH(米国国立労働安全衛生研究所)の職業性ストレスモデルが広く活用されています。このモデルは、職場内のストレッサー(仕事の要求度、裁量権の低さなど)が、どのように従業員のストレス反応、ひいては健康障害につながるかを体系的に示しています。このモデルの重要な要素の一つが「緩衝要因」の存在です。

特に社会的支援(ソーシャルサポート)は、ストレッサー(ストレスの原因)とストレス反応の間に入り、その悪影響を軽減するクッションのような役割を果たします。この社会的支援は、職場内(上司や同僚)からのものだけでなく、職場外の支援、すなわち家族や友人からの支援も含まれます。
つまり、以下のようなメカニズムが考えられます。
1、家族や友人からの支援が不足していると、職場内外のストレスに対する緩衝作用が十分に機能しません。
2、その結果、従業員は心理的な負荷を直接受けやすくなり、メンタル不調を発症するリスクが高まります。
メンタル不調の発生は、従業員個人だけでなく、組織全体にも深刻な影響をもたらします。
メンタル不調が発生した場合、休業者の発生(アブセンティーイズム)につながるだけでなく、休業に至らないまでも、集中力や判断力の低下した状態で業務を行う従業員(プレゼンティーイズム)が発生します。これにより、個人のパフォーマンスが低下し、最終的に組織全体の労働生産性の低下に直結します。
このように、一見すると個人的な要素である職場外の要因(家族や友人からのソーシャルサポート)の充足度が、従業員の健康状態を介して、結果的に組織の重要な経営指標である労働生産性にまで間接的に影響を与えるのです。
このような影響が生じる背景には、個人の事情だけでなく、働き方や組織文化といった職場要因も関与します。
「家族・友人の支援が低い」という結果は、必ずしもプライベートな事情だけが原因なのではなく、働き方や職場の組織文化が、従業員の「支援を受け取る力」に影響しているケースも少なくありません。
たとえば、次のような職場環境や文化が、従業員の支援の受けやすさを左右することがあります。
・日々の業務が多忙すぎて、家族との会話や交流の時間が減っている
・職場で孤立感を感じ、私生活でも誰かに相談しづらくなっている
・休日出勤の常態化や突発的な対応により、予定が立てにくい
・転勤や単身赴任によって、家族や友人から物理的に離れて暮らしている
・仕事のストレスや疲労が大きく、プライベートな人間関係にエネルギーを割く余裕がない
・「助けを求めることは弱さである」という文化が根強く、支援を求めづらい雰囲気がある
このように、家族や友人からの支援の受けやすさには、職場の風土や働き方といった要因が密接に関わっています。したがって、人事労務担当者が取り組むべきは、従業員のプライベートに踏み込むことではなく、「支援を受けやすい職場環境」を整えることです。
つまり、誰もが安心して助けを求められ、支え合える職場づくりこそが、従業員のメンタルヘルスを守る第一歩といえるでしょう。

家族や友人といったプライベートな支援領域に、会社がどこまで関与すべきかは慎重に見極める必要があります。過度な介入は、従業員からプライバシーの侵害と受け取られるおそれがあるためです。
基本的な考え方として、家族や友人との関係性は個人の自由と自律が尊重されるべきものであり、企業が直接的に踏み込むことは避けるのが望ましいでしょう。
そのため、企業が取り組むべき課題は「プライベートな人間関係」そのものではなく、「プライベートのつながりを維持できるような、余裕を持てる働き方の実現」と「職場内での支援的で安心感のある人間関係づくり」といった環境整備と間接的な支援です。
また、支援は一方的に押し付けるのではなく、「選択肢として提供する」という姿勢も大切です。従業員が自分の状況に応じて必要なサポートを選べるよう、利用可能な制度やリソースを整え、しっかり周知することが重要といえるでしょう。
ここでは、家族や友人の支援を得られるようにするため、会社の人事労務担当者の立場で実現できるサポートについて詳しくご説明します。
「家族・友人の支援が低い」従業員は、職場内でも孤立を感じやすいことがあります。孤独感は「実際に人とどれだけ一緒にいるか」ではなく、「自分の社会的ニーズが満たされていない」という認知(感じ方)である」と言われています。つまり、職場での「信頼できる誰か」や「相談先」の存在は、自分は支えられていると、いう実感をもたらし、結果として私生活での孤立感を軽減することにつながるのです。
したがって、人事労務担当者が取り組むべきことのひとつは、「孤立しにくい職場風土」を醸成する、つまり職場内のソーシャルサポートの基盤を強化することといえます。
上司が業務上の指導や評価だけでなく、体調や日常の様子などにも関心を持ち、話を聞く時間を設けることが重要です。
形式的な面談ではなく、「最近の調子はどう?」「困っていることはない?」といった声かけを日常的に行うことで、部下の心理的負担や孤立感を軽減することが期待されます。
そのための有効な手段として、管理職向けの傾聴トレーニングがあります。
上司が共感的な姿勢で相手の話を聴くスキルを習得することで、部下の本音を引き出し、相談しやすい関係づくりが促進されます。
さらに、上司と部下の1on1ミーティングを、業務進捗確認の場としてだけでなく、部下の心理的な状態やキャリアをサポートする場としての役割を持たせることも効果的です。上司は、業務外の支援が不足している部下に対し、傾聴スキルをもって接し、共感的なフィードバックを行うための研修を必須とします。これにより、上司が日常的な相談相手としての役割を担い、信頼関係を深めます。
【関連記事のご紹介】
・心理的安全性を高める“傾聴”スキル「実践ガイド」
職場のチーム内や同僚同士の相互支援も、大切なポイントです。「家族や友人からの支援が不足している」従業員に対し、職場が日常のコミュニケーションを通じた安心感を提供することが求められます。
オンライン中心の働き方が増える中で、ちょっとした雑談の機会が減っている職場も少なくありません。 しかし、そうした何気ない会話こそが、支援ネットワークづくりの第一歩です。雑談の中で信頼関係が芽生え、「困ったときに相談できる」「話を聞いてくれる」存在が生まれます。
そのため、意図的にチーム全体でコミュニケーションを促す仕組みをつくったり、上司が率先して雑談を交えながら交流のきっかけをつくることが有効です。
以下に、チーム全体でコミュニケーションを促す仕組みづくりの例についてご説明します。
専門スキルだけでなく、組織の文化を伝える役割を持つメンター(先輩)を、利害関係の少ない部署から選定し、配置します。これにより、直属の上司に話しにくいキャリアの悩みや不安を気兼ねなく相談できる安心感を与えることができます。
業務開始時などに短時間、「今日の気分や業務上の懸念点」を共有する場を設けます。これにより、個人的な孤立感や異変を早期に察知し、メンバー間の相互理解と配慮を促す文化を醸成します。この場で、誰かが困っていそうだと感じたら、「私はあなたを気にかけていますよ」というサインを送りやすい雰囲気を大切にします。
これらの施策は、私的な支援が不足している従業員にとっての「第2の支援ネットワーク」として機能し、職場全体のソーシャル・サポートを強化します。
職場内の支援基盤を整えることに加え、プライベートなつながりを保つための“時間”を確保できる制度面の後押しも不可欠です。
長時間労働は、家庭や友人と過ごす時間を減少させる大きな要因のひとつです。
仕事に追われる状況が続くと、家族や友人との関わりの機会が減少し、結果として「家族や友人からの支援が少ない」と感じやすくなります。人とのつながりが希薄になることは、従業員の心理的な支えを得にくくし、メンタルヘルスのリスクを高める要因にもなり得ます。
このため、人事・労務担当者としては、従業員が家族や友人と過ごすための時間的余裕を確保できる環境づくりに取り組むことが重要です。
具体的な方策としては、
・残業時間の削減や有給休暇の計画的な取得促進
・時差出勤・リモートワーク・フレックスタイム制など柔軟な働き方の推進
・育児・介護との両立支援(学校行事参加や通院付き添いのための特別休暇制度など)
が挙げられます。
特に育児・介護関連制度については、法定基準を上回る充実を図ることが、家族との時間を確保しやすくする鍵となります。たとえば、育児短時間勤務の期間延長、看護休暇の拡充、介護に関する情報提供や相談窓口の設置などが有効です。
また、男性の育児休業取得を推進しやすい職場風土を整えることも、家族内での相互支援関係を強化し、従業員のワーク・ライフ・バランスを高める上で不可欠です。特に男性の育児参画支援を組織的に進めることは、今後の人事・労務施策における重要なテーマといえるでしょう。
転勤や単身赴任は、家族や友人からの支援ネットワークに影響を与えます。業務の都合上、やむを得ず転勤が必要なケースもあるでしょう。転勤の際は、本人や家族の意向を十分に聴取し、可能な限り配慮することが求められます。配偶者の仕事、子どもの教育、親の介護など、家族の状況は多様であるため、個別の事情に配慮した柔軟な対応が求められます。
単身赴任者に対しては、帰省費用の補助拡充、帰省休暇の付与、家族との通信費用補助など、家族とのつながりを維持するための支援が効果的です。物理的な距離があっても、定期的に会う機会を確保できることは、家族関係の質を保つ上で重要です。
また、転勤先での生活支援も忘れてはなりません。住居の手配、生活情報の提供、地域コミュニティへの橋渡しなど、新しい環境での生活立ち上げを支援することで、孤立を防ぎ、新たな人間関係の構築を促進できます。
家族や友人にかかわるような、プライベートな悩みを安心して話せる相手がいないことも、心理的な負担を大きくする要因と成り得ます。
たとえば、家庭の事情、経済的な不安、健康や介護、プライベートでの人間関係などのテーマは、上司や同僚に話すにはハードルが高く、家族にも打ち明けにくい場合があります。そのようなときに有効となるのが、EAP(従業員支援プログラム)です。
EAPは、外部の専門カウンセラーが従業員のプライベートな悩みや相談を、秘密保持で受ける仕組みです。
職場の関係者ではない第三者に相談できるため、従業員は「評価に影響するかもしれない」「プライベートを知られてしまうかもしれない」という不安を抱かずに、本音で話すことができます。結果として、早期のストレス軽減や問題解決につながり、メンタル不調の予防にも大きく寄与します。
また、EAPの活用は「会社が個人の生活に踏み込む」こととは異なります。むしろ、従業員を取り囲む状況全体をサポートする支援体制を整えることで、安心して働ける職場環境をつくる取り組みといえるでしょう。従業員が「どんな内容でも相談できる場所がある」と感じられることは、心理的安全性を高め、結果的に離職防止やエンゲージメントの向上にもつながります。
人事・労務担当者には、EAPを「メンタル不調者対応のための仕組み」だけにとどめず、「誰でも、どんな悩みでも話せる場」として周知・浸透させていく視点が求められます。
家族・友人の支援が得づらいと感じている従業員にとって、 「自分はこの職場で必要とされている」「誰かに貢献できている」と感じられる環境があれば、人は孤立しにくくなります。 そのためには、従業員一人ひとりが組織の一員として尊重され、活躍できるエンゲージメントの高い職場づくりが求められます。
経営層が健康経営を明確に打ち出し、管理職が部下の健康や働きがいに関心を持つ。
そして職場全体が「人を大切にする文化」を共有できていることが、有効なストレス対策のひとつと言えるでしょう。
これらの施策を効果的に機能させるためには、企業文化の醸成と経営層の明確なコミットメントが欠かせません。
経営層が「従業員が心身ともにいきいきと働けること」を経営の重要課題として位置づけ、ワークライフバランスを尊重する姿勢を示すことが、組織全体の意識改革につながります。
さらに、トップ自らがプライベートと仕事の両立を実践し、たとえば家族との時間を大切にする、計画的に休暇を取得するといった行動を示すことで、従業員も安心して同様の行動を取ることができるようになります。
このような経営層の姿勢は、制度を「形だけのもの」にせず、組織全体に浸透させるうえで大きな影響力を持ちます。
加えて、「長時間働くことが美徳」「仕事を最優先すべき」といった旧来の価値観を見直し、効率的に働き、プライベートも充実させることを評価・推奨する文化を育てることが重要です。
健康経営を推進する上では、従業員が仕事の場面だけでなく、私生活においても充実した時間を過ごせるよう、企業が一体となって支援する姿勢が今後ますます求められるでしょう。
まとめ
「家族・友人の支援が不足している」という結果を「プライベートの問題」として片付けない
家族や友人からの支援はストレスを和らげる「緩衝要因」である
職場環境が「支援の受けやすさ」に影響する
企業ができる支援策の方向性
当社のストレスチェックサービス【STRESCOPE(ストレスコープ)】は、単なる調査の実施にとどまらず、職場環境改善と従業員のセルフケア能力の向上を通じて、従業員の皆さまがいきいきと活躍できる職場環境づくりをサポートします。
現状・課題の可視化:
表面的な結果だけでは見えない、組織の深層にある課題をデータに基づいて可視化します。
睡眠や食事など、心身を整えるためのセルフケアポイントの配信:
独自設問により、仕事上のストレスのみならず睡眠や食事といった生活面でのストレス要因も網羅。個人結果票では、漫画イラストを取り入れた親しみやすいデザインで、本記事の内容も含めたセルフケア力を高めるヒントを楽しく学べる構成になっています。
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