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ストレスチェックから始める職場の活性化 / STRESCOPE
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「メンタルヘルス対策は実施しているのに、不調者や休職者がなかなか減らない」「これから取り組もうと思っているが、何から手をつければよいのか分からない」そんな不安やもどかしさを感じている人事・労務担当者の方も多いのではないでしょうか。
職場のメンタルヘルス対策について、厚生労働省は「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の中で、企業が体系的に取り組むための基本的な枠組みとして「メンタルヘルスの4つのケア」を示しています。これは、対策を場当たり的な対応で終わらせず、組織として継続的に機能させるための土台となる考え方です。
本記事では、メンタルヘルス対策を“実施している状態”から“成果につながる取り組み”へと高めるために、私たちが実際にかかわってきた事例も踏まえながら、人事・労務が押さえておきたい「4つのケア」の本質と、具体的な実践ポイントを整理します。
これから初めて取り組む方も、現在の施策に手応えを感じられていない方にも、4つのケアを機械的な対応で終わらせず、組織の生産性やエンゲージメント向上につなげる対策を、一緒に考えていきましょう。

近年、職場におけるメンタルヘルス対策の重要性は広く認識されるようになりました。一方で、その背景や考え方については、あらためて整理する機会が少ないという声も聞かれます。
4つのケアの内容について詳しくご説明する前に、なぜ職場におけるメンタルヘルス対策が重要なのか、改めて整理してみましょう。
健康経営の基本的な考え方は、従業員の心身の健康こそが企業の持続的な成長を支える基盤であるという点にあります。メンタルヘルス対策を経営戦略の一環として位置づけることで、個々の活力やワーク・エンゲージメントの向上につながります。
その積み重ねが、組織全体の生産性向上や離職率の低減、さらには優秀な人材の定着といった好循環を生み出します。心身の健康は企業発展の原動力であり、だからこそ実効性のあるメンタルヘルス対策を継続的に推進していくことが重要といえます。
厚生労働省が公表した令和6年度「過労死等の労災補償状況」のうち、「業務災害に係る精神障害に関する事案の労災補償状況」によると、精神障害による労災の請求件数は直近5年間で増加傾向が続いています。あわせて、支給決定件数(労災と認定された件数)も同様に増加しており、令和6年度には初めて1,000件を超えました。

企業は安全配慮義務を負うため、未然防止と再発防止の仕組みづくりが求められます。このことからも、職場のメンタルヘルス対策は経営として真摯に向き合うべき重要な課題であるといえるでしょう。

厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の中では、会社で心の健康づくり計画を策定し、計画に則ってメンタルヘルス対策を行うことが求められています。
この心の健康づくり計画を立てる際に基本となる考えが、今回のテーマである「職場のメンタルヘルス対策における4つのケア」なのです。
4つのケア
・セルフケア
・ラインによるケア
・事業場内産業保健スタッフ等によるケア
・事業場外資源によるケア
4つのケアが相互に連携し、それぞれの役割を発揮してこそ、職場のメンタルヘルス対策は真価を発揮します。では、4つのケアの具体的な内容について、一つずつ整理していきましょう。
セルフケアとは、従業員自身が自分のストレスや心身の状態に気づき、適切に対処することです。
例えば、
・「最近よく眠れない」「イライラしやすい」といった変化に自分で気づき、適切に対処する
・休養をとる、生活習慣を整える
・信頼できる人や上司や人事、専門家に相談する
といった行動がセルフケアにあたります。
セルフケアのポイントは、「不調になってから何とかする」のではなく、小さな変化の段階で気づき、早めに対処することです。
企業のメンタルヘルス対策においても、土台となるのがこのセルフケアです。従業員一人ひとりが自分の状態を理解し、適切に助けを求められることが、結果として組織全体の健康や生産性を支えることにつながります。
ラインケアとは、管理職が部下に対して日常的に行うメンタルヘルスケアのことです。
様々な会社のメンタルヘルス対策を支援するにあたって実感していることが、ラインケア、すなわち管理監督者による日常的な気づきと対応の重要性です。
具体的には、
・部下の「いつもと違う」変化に気づく
・声をかけ、話を聴く
・業務量や役割を調整する
・必要に応じて人事や産業医につなぐ
といった対応がラインケアに該当します。
従業員が毎日接している上司は変化に最も早く気づける存在といえます。何か特別なことをするというのではなく、日常のマネジメントの中で行うケアがラインケアです。
事業場内産業保健スタッフ等によるケアとは、産業医や保健師、人事・労務担当者など、社内の専門職が中心となって行うメンタルヘルス支援のことです。
具体的には、
・ストレスチェック結果の分析と職場環境改善の提案
・高ストレス者への面接指導
・休職者の職場復帰支援
・管理職への助言やケース対応のサポート
などが含まれます。
事業場内産業保健スタッフによるケアは、専門的な視点で支え、組織としての対応を整える役割を担います。産業保健スタッフは個人の不調対応にとどまらず、データや事例をもとに職場全体の課題を整理し、再発防止や環境改善につなげていく、いわば、「メンタルヘルス対策のハブ」としての役割を担うといえるでしょう。
事業場外資源によるケアとは、EAP(従業員支援プログラム)や外部カウンセリング窓口など、社外の専門機関を活用するメンタルヘルス支援のことです。
具体的には、
・匿名性の高い外部相談窓口の提供
・最新の知見に基づいた管理職・従業員研修
・社内では対応困難な特殊ケースへの専門的助言
・医療機関の医師による治療
などが含まれます。
事業場外資源によるケアは、「第三者の視点」から、社内だけでは対応が難しい課題を支える役割を担います。専門性と客観性に基づく判断をもとに、職場と連携しながら従業員を支援する、重要なセーフティーネットといえるでしょう。
職場のメンタルヘルス対策を考えるうえで、もう一つ押さえておきたい重要な概念が「3つの予防」です。(※3つの予防についての詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。)
メンタルヘルス不調の発生を未然に防ぐ「一次予防」、早期発見・早期対応を行う「二次予防」、そして再発や重症化を防ぐ「三次予防」は、先に述べた4つのケアと密接に関係しています。
以下の表は、4つのケアが一次〜三次予防のどこで機能するかを整理したものです。
| 一次予防 | 二次予防 | 三次予防 | |
|---|---|---|---|
| セルフケア | ・ストレスへの気づき ・生活習慣改善 |
・不調の自覚・相談 | ・治療への主体的参加 |
| ラインケア | ・働きやすい職場環境づくり ・業務調整 |
・部下の変化への気付き ・適切な声掛け |
・復職時の調整配慮 |
| 事業場内産業保健 スタッフ等によるケア |
・ストレスチェック集団分析 ・職場改善の提案 |
・面接指導 ・医学的判断 |
・復職判定 ・フォローアップ面談 |
| 事業場外資源によるケア | ・研修(外部講師を活用) | ・外部カウンセリング | ・専門治療 |
この表から分かるのは、4つのケアはいずれも特定の段階だけを担うものではなく、相互に補完しながら機能しているという点です。どれか一つでも欠けると、全体の仕組みは十分に機能しなくなります。
例えば、二次予防の場面でセルフケアが弱ければ、本人が不調に気づいても相談できず、抱え込んだまま重症化してしまう可能性があります。ラインケアが十分に機能していなければ、部下の変化に気づけず、結果として突然の休職につながることも考えられます。さらに、事業場外資源によるケアが整っていなければ、専門的な治療や支援につながらず、回復や円滑な職場復帰が難しくなります。また、事業場内産業保健スタッフが機能していなければ、中核が不在となり、3つの予防と4つのケアを連動させることができません。
普段多くの企業様と接する中で、「これらの4つのケアのうち、どれが一番重要ですか?」という質問を受けることがありますが、私たちはいつも「どれか一つが最も重要」というものではなく、4つのケアが相互に連動し、循環している状態が理想です、とお伝えしています。メンタルヘルス対策は、個々の施策を積み上げるだけではなく、全体がつながって機能する“全体設計”がカギになる、ということです。
もちろん、最初からすべてを完璧に整える必要はありません。まずは「気づいたら次にどうつなぐか」を決めて、各ケアの“バトンタッチ先”を明確にするだけでも、取り組みはぐっと動き出します。
たとえば、セルフケアで従業員自身が「最近少しストレスが溜まっているかもしれない」と気づいたとします。このとき、「気づいたら誰に相談するのか」が決まっていれば、次の行動につながりやすくなります。たとえば、「まずは直属の上司に声をかけてみる」「社内の相談窓口(人事担当者など)に連絡する」といったルートをあらかじめ決めておくだけでも、セルフケアからラインによるケアへのバトンタッチがスムーズになります。
一方で、上司が部下の様子を見て「いつもより元気がない」「遅刻が増えている」といった変化に気づくこともあるでしょう。その場合は、上司だけで抱え込まず、人事担当者や産業医、外部の相談窓口につなぐ、といった流れを用意しておくことが大切です。これがラインによるケアから事業場内産業保健スタッフ等によるケアへのバトンタッチです。さらに、専門的な対応が必要と判断された場合には、産業医や外部の専門機関につなぐことで、事業場外資源によるケアへとつながっていきます。
このように、「気づく → 相談する → 専門家につなぐ」という流れがあらかじめ整理されているだけでも、4つのケアは自然と連動し始めます。
特に中小企業では、「産業保健スタッフが常駐していない」といったケースも少なくありません。そのため、すべてを社内で完結させようとする必要はありません。
地域産業保健センターや外部の相談窓口、契約している産業医など、社外のリソースも含めて「困ったときにどこにつなぐのか」を整理しておくことが、実はとても重要なのです。
メンタルヘルス対策は、大掛かりな制度を整えなければ始められないものではありません。まずは「誰が気づき、その後どこにつなぐのか」というシンプルな流れを作ること。それだけでも、4つのケアが機能し始める大きな一歩になります。
ここで、4つのケアが機能するように、それぞれのポイントについてご説明します。
従業員が自らの心身の健康を守る「セルフケア」を促進するには、本人任せにするのではなく、組織として支援することが欠かせません。
まず有効なのが、ストレスチェックの個人結果票を活用した情報提供です。結果フィードバックに、睡眠・運動・食事などの生活習慣改善のヒントや、具体的なストレス対処法を盛り込むことで、従業員が自分の状態に合わせたセルフケアを実践しやすくなります。
あわせて、メンタルヘルスの基礎知識やストレスサインの気づき方を学ぶ研修を定期的に実施することも、ヘルスリテラシーの向上につながります。さらに、休憩スペースの整備や相談窓口の設置など、学んだ知識を日常で活かせる環境づくりも重要です。
加えて大切なのは、こうした施策が“実際に機能する状態”をつくることです。
セルフケアを単なる「個人の努力」にとどめないためには、従業員が自分のストレスサインに気づき、不調を感じた際に「休む」「相談する」といった行動を前向きな自己管理として選択できる職場風土が欠かせません。具体的なコーピングの習得と、それを安心して実践できる環境、この両輪がそろってこそ、セルフケアは組織の生産性を支える取り組みとして機能します。
管理監督者は、部下の心の健康を支える最前線に立つ重要な存在です。効果的なラインケアを実践するためには、「気づき」と「適切な対応力」の両方が求められます。
まず大切なのは、部下の小さな変化に気づく力を育てることです。メンタル不調のサインを早期に察知できるよう、管理職向けの研修を継続的に実施することが有効です。具体的なケースを交えた学びは、現場での実践力向上につながります。あわせて、傾聴や適切な声かけなどのコミュニケーションスキルを高めることも重要です。部下が「相談してもよい」と感じられる関係性づくりが、早期対応の土台となります。
さらに、管理職が判断に迷った際の相談先を明確にし、産業保健スタッフや人事部門と連携できる体制を整えておくことも欠かせません。一人で抱え込まない仕組みづくりが、組織全体の安定につながります。
一方で、現実には多くの管理職がプレイングマネージャーとして多忙を極めており、部下の変化に十分目を配る余裕が持ちにくいケースも珍しくありません。だからこそ、ラインケアを管理職個人の努力に委ねるのではなく、組織全体で従業員を見守る体制を整えることが重要です。あわせて、相談しやすい仕組みや専門職との連携ルールを明確にするなど、管理職を支える環境づくりも欠かせません。
ラインケアの重要なポイントについては、他の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧いただき、職場での取り組みにぜひお役立てください。
【ラインケアにかかわる関連記事のご紹介】
→ストレスチェックを健康経営に活かす!集団分析結果の活用方法~上司の支援が低い職場編~
→心理的安全性を高める“傾聴”スキル「実践ガイド」
→心理的安全性が保たれた職場環境づくりのためのコミュニケーション
産業医や保健師、人事・労務担当者などの産業保健スタッフは、メンタルヘルス対策のハブとして、組織全体を専門的な視点から支える役割を担います。
職場環境の改善は各組織が主体的に取り組むべき課題ですが、その推進を後押しするのが産業保健スタッフの役割です。
例えばストレスチェック実施後には、集団分析の結果から高ストレス部署や経年変化を把握し、具体的な改善策を経営層へ提言します。長時間労働が課題であれば労働時間管理の見直しを、人間関係のストレスが高ければコミュニケーション研修の実施を検討するなど、データに基づいた施策を立案します。
産業保健スタッフのうち医療職は、従業員や管理職、人事からの相談に対応し、必要に応じて早期介入を行います。医学的知見をもとに、医療機関受診の必要性や就業上の配慮について専門的な意見を提供することも重要な役割です。
さらに、階層別の教育プログラムの企画・実施や復職支援における調整も担います。各種データや現場の声をもとに課題を整理し、施策を立案・実行しながらPDCAを回していく、その中心的な存在が産業保健スタッフといえるでしょう。
事業場内産業保健スタッフ等によるケアを機能させるには、個別対応にとどまらず、組織全体を俯瞰した司令塔としての役割を明確にすることが重要です。そして普段から私たちが重要だと感じているのは、「経営層の理解と後押しが不可欠」であるということです。経営層の理解と後押しを得るためには、メンタルヘルス対策を「コスト」ではなく「経営リスク管理と成長戦略の一環」として示すことがポイントであると考えます。
労災件数や休職率、生産性への影響などのデータを活用し、数値で現状とリスクを可視化することで、経営課題としての認識が高まります。また、施策による改善効果を継続的に報告し、投資対効果を示していくことも有効です。
事業場外資源は、企業内部だけでは対応しきれない専門的支援や客観的な視点を補い、メンタルヘルス対策の質を高める重要な存在です。
代表的なものにEAP(従業員支援プログラム)があります。社外カウンセラーによる相談窓口を設けることで、従業員は職場に知られることなく悩みを相談できます。ハラスメントや家庭問題、キャリアの不安など、上司や同僚には話しにくいテーマにも対応できる点が強みです。
また、精神科・心療内科などの医療機関との連携も望まれます。必ずしも特別なネットワークを構築しておく必要はありませんが、地域の医療機関に関する情報を把握しておき、受診が必要な場合に適切に案内できる体制を整えておくことが大切です。復職時には、主治医の意見を踏まえながら産業医や人事が調整役となることで、無理のない職場復帰につなげることができます。
さらに、ストレスチェックの外部委託事業者の活用もポイントです。専門的知見に基づいた設問設計や集団分析、経年比較、部署別の詳細分析などにより、単なる実施にとどまらず、職場環境改善につながる示唆を得ることができます。結果の読み解きや改善提案まで支援を受けられるため、社内リソースが限られている場合でも、実効性のある対策へとつなげやすくなります。地域産業保健センターなど公的機関の活用も、低コストで専門家の助言を得られる有効な選択肢です。
外部資源を十分に機能させるためには、①社内との連携ルールを明確にすること、②従業員へ継続的に周知し利用のハードルを下げること、③利用状況を振り返り改善につなげることが重要です。こうした体制を整えることで、限られた社内リソースを補完し、より実効性の高いメンタルヘルス対策を実現できます。

メンタルヘルス対策を前に進めるカギは、何か新しい施策を増やすことよりも、すでにある「4つのケア」を“つながる仕組み”として整えることにあります。
セルフケアの気づきをラインケアにつなぎ、管理職が抱え込まず産業保健スタッフへ橋渡しし、必要に応じて外部資源も活用する。そして得られた知見を職場環境の改善に還元する。
この循環が回り始めたとき、対策は「実施している状態」から「成果につながる取り組み」へと変わっていきます。できるところから一つずつ、貴社の仕組みづくりを進めていきましょう。
まとめ
当社のストレスチェックサービス【STRESCOPE(ストレスコープ)】は、法令対応にとどまらず、「4つのケア」を実践につなげる仕組みを備えています。
個人結果のフィードバックを通じて、自身のストレス状態を客観的に把握できるだけでなく、睡眠・食事・運動といった生活習慣を見直すきっかけにもなります。さらに、セルフケアのポイントは漫画形式でわかりやすく掲載。楽しみながら理解を深められるため、無理なく基礎知識を身につけていただけます。
集団分析では、部署や役職などさまざまな切り口から多角的にデータを確認できます。職場ごとの傾向や課題を可視化することで、管理職による適切なマネジメントの実践や、効果的な職場改善策の検討を後押しします。
高ストレス者への面接指導がより効果的に行われるよう、産業医が短時間で的確に状況を把握できるサポート資料をご提供します。
外部の専門家(ストレスチェック実施者)として、人事・労務担当者の皆様をサポートいたします。実施後の読み解き・報告会を支援する外部パートナーとしてご活用いただけます。
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