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ストレスチェックから始める職場の活性化 / STRESCOPE
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平成27年に「ストレスチェック制度」が施行されて以来、従業員50名以上の事業場では、年に1回のストレスチェック実施が義務づけられています。
人事・労務担当者の方々にとって、ストレスチェックは「現状把握のためのツール」として活用されることが多いかもしれません。
しかし、本来の目的は、チェック結果をもとにメンタルヘルス不調を未然に防ぐことにあります。
メンタル不調を予防するためには、企業が主体的に行う「職場環境の改善」と、従業員一人ひとりが実践する「セルフケア」の両輪が欠かせません。
なかでも、従業員のメンタルヘルスと生活習慣には密接な関連があります。脳と身体は密接に連動しており、心の健康を支えるためには身体のケアが不可欠なのです。
その中で、セルフケアの一環として注目されているのが「運動」です。運動とメンタルヘルスの関係は国内外の多くの研究でその有効性が示されています。
本コラムでは、最新の研究知見をもとに「運動がどのように心の健康を支えるのか」をわかりやすく解説し、中小企業でも実践しやすい職場での取り組み方法を紹介します。
ストレスチェックを「現状把握」で終わらせず、「働く人の健康を守る第一歩」として活かすヒントをお伝えします。
【セルフケアに関する記事のご紹介】
・【精神科産業医監修】メンタルヘルスと食事の関係~心と体を支える健康習慣~
厚生労働省も、メンタルヘルス対策の一環として「適度な運動」を推奨しています。実際、運動がメンタルヘルスに与える影響は世界中で研究されており、その中でも特に注目されているのが「抗うつ効果」です。
明治安田厚生事業団 体力医学研究所の調査によると、まったく運動をしないグループに比べて、週2時間以上運動しているグループは1年後の抑うつ発症リスクが約半分であることが示されました。また、週1回でも余暇に運動している人は、ストレスを感じていても抑うつ傾向が低いという結果も報告されています。これらの結果から、日常的に軽い運動を取り入れることでストレス耐性を高め、メンタルを良好に保てる可能性が示唆されています。
さらに、2022年に発表された海外のメタアナリシス研究では速歩で週2時間程度、または時速8〜9kmのランニングを週1時間ほど行うと、うつ病の発症リスクが約25%低下することが報告されていますこの半分の運動量でも約18%のリスク低下が見られたことから、「完璧を目指さなくても、少しの運動から効果がある」ことがわかります。
国際スポーツ心理学会(ISSP)も、運動の心理的効果について次のように提唱しています。
・運動は一時的な緊張や焦りを軽減する可能性がある
・軽度〜中等度の抑うつを改善する効果がある
・長期的な運動習慣はネガティブ感情傾向を減少させる
・重度の精神疾患に対する補助療法の可能性を持つ
・年齢や性別を問わず、感情面・精神面に有益な影響を与える
ISSPは、「特定の競技や高いパフォーマンスを目指す必要はなく、楽しみながら継続できる活動こそが重要」と明言しています。
有酸素運動・無酸素運動の両方をバランスよく取り入れた“楽しむ運動習慣”が、心の健康づくりの第一歩となるでしょう。
ここで注意したいのは、運動とメンタルヘルスの関係は「相関関係」で示されていることが多い点です。つまり、「運動量が多い人ほどメンタルが良好だった」という結果はあっても、それが必ずしも「運動によって改善した」という因果関係を示すわけではありません。
この点を理解したうえで、運動を取り入れる意義を考えることが大切です。

ここで注目したいのが、神経細胞の成長・生存・修復を促す「BDNF(脳由来神経栄養因子)」という物質です。うつ病の患者では、このBDNFの血中濃度が健常者より低いことが、これまでの研究で明らかになっています。
BDNFは、脳の神経細胞の成長や修復を促し、うつ症状を和らげる働きを持つことが知られています。そして、運動を行うことで、このBDNFの分泌量が増えることも分かっています。
BDNFの主な役割は、神経細胞の成長と維持に加え、新しい神経細胞の生成や、スムーズな睡眠をサポートすることです。最近のレビュー論文では、運動によってBDNFが増加することで、睡眠障害を含むさまざまな心身の不調の改善につながる可能性があると報告されています。
良質な睡眠は、脳内の情報整理やホルモンバランスの安定、ストレス耐性の向上など、メンタルヘルスに大きな影響を与えます。十分な睡眠が取れていると、感情のコントロールがしやすくなり、不安やイライラの軽減にもつながります。
つまり、運動によってBDNFが増加し、その結果として睡眠の質が向上することで、心身の回復力が高まり、うつなどのメンタル不調を防ぐという好循環が生まれるのです。
運動によるメンタルヘルス改善には、生理的な変化だけでなく心理的な側面も重要です。運動によって得られる「達成感」や「自己効力感(自分にはできるという感覚)」は、自尊心や自己肯定感を高めます。
また、運動に集中することで思考のループから抜け出し、「今この瞬間」に意識を向けるマインドフルネス効果も得られます。
さらに、運動は良質な疲労をもたらし、睡眠の質を改善します。これにより回復力が高まり、ストレスへの抵抗力も強まります。
運動は「人とのつながり」を生むきっかけにもなります。ジョギング仲間や職場のウォーキングイベントなどを通じて自然な交流が生まれ、孤立感がやわらぎます。
こうした関係は心理学でいうソーシャルサポート(社会的支援)として機能し、ストレスを緩和します。「誰かと励まし合う」「支え合っている」という安心感が、メンタルの安定につながるのです。

研究によると、1週間に60〜150分程度の有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなど)でも十分に効果があります。運動量がゼロの状態からでも、少しの活動を始めるだけでメンタル不調の予防につながることが確認されています。1)2)
1)Association Between Physical Activity and Risk of Depression: A Systematic Review and Meta-analysis
2)Exercise and the Prevention of Depression: Results of the HUNT Cohort Study – PubMed
また、海外の調査では1日7,000歩程度の歩行がうつ病発症リスクを約31%低下させることが報告されています。これはおよそ4〜5km、1時間程度の歩行に相当します。
運動をしすぎるとストレスホルモンのコルチゾールが増加し、睡眠の質が低下することも報告されています。
ある調査では、抑うつ症状を最も低減させる最適な身体活動時間(強度にかかわらず、日常生活で行っているあらゆる活動の合計時間)が存在することが示されており、その時間は週あたり25.7時間、1日にあたりに換算すると約3.5時間でした。この最適値から活動時間が長すぎても短すぎても、うつ病症状が悪化することが分かっています。このことは、「運動のしすぎは逆効果」という可能性を示唆しています。
さらに本調査では、運動がメンタルヘルスにもたらす効果は、レジリエンスを高め、神経症傾向を低減させるという心理的なメカニズムによって説明されることが示唆されました。この結果は、運動指導において、単に運動量を増やすだけでなく、個人にとって最適なバランスを見つけることの重要性を示しています。
ここでは、「運動の効果を職場でどのように活用できるのか」「企業としてどのように介入できるのか」という視点から考えてみましょう。職場単位で運動プログラムを導入することの有効性を示す研究は、国内外で数多く報告されています。
厚生労働科学研究費補助金による研究では、昼休みに職場単位で運動を行う取り組みが、従業員の身体活動量を増やすだけでなく、対人関係の改善やメンタルヘルスの向上にも寄与することが明らかになりました。同じ職場の仲間と一緒に体を動かすことで自然なコミュニケーションが生まれ、上司や同僚からのサポートを得やすくなるなど、相互理解や信頼関係の深化がポジティブな効果をもたらしたと考えられます。
また、Zhangらによる2025年の海外システマティックレビューでも、職場で身体活動を促すプログラムの導入が、運動習慣の定着、ストレスの軽減、健康行動の改善に一定の効果をもたらすことが報告されています。つまり、職場という「日常の環境」に運動を組み込むことで、健康づくりの継続性を高められる可能性があるのです。
一方で、これらの研究ではいくつかの課題も指摘されています。
たとえば、運動の頻度や強度、実施期間、参加率などの最適化が十分に検討されていない点や、運動単独ではなく、教育・栄養・職場環境の改善と組み合わせるべきであるという指摘です。したがって、企業が運動施策を導入する際には、
・実施の頻度・期間
・参加を促す仕組み
・職場文化との適合性
といった要素を考慮し、自社の実情に合わせた柔軟なプログラム設計を行うことが求められます。
運動を通じて、「健康づくり」と「職場の一体感」の両方を育む仕組みを整えることこそが、これからの健康経営を支える鍵となるでしょう。

それでは、中小企業では具体的にどのような形で運動を促進できるのでしょうか。
大企業のように社内にフィットネスジムを設けることは難しいかもしれませんが、工夫次第でコストを抑えながら効果的な取り組みを行うことが可能です。
まず、最も取り入れやすいのが昼休みを活用した短時間のストレッチや体操です。
たとえば、週3回・1回10分程度の簡単なストレッチイベントを開催するだけでも、従業員のリフレッシュやメンタルヘルスの改善につながります。全員の参加が難しい場合でも、希望者を募って継続的に実施することで、職場の一体感や前向きな雰囲気づくりにも効果があります。
また、ウォーキングイベントの実施も有効なアプローチです。社内でウォークラリーを企画したり、歩数計アプリを活用して部署対抗の歩数チャレンジを行ったりすることで、楽しみながら運動習慣を促すことができます。加えて、「通勤時に一駅分歩く」「エレベーターではなく階段を使う」といった日常生活に運動を取り入れる工夫を促す啓発活動も効果的です。
さらに、リモートワークが増えた今では、オンラインでの運動プログラムも選択肢の一つです。朝礼前後の数分間にストレッチを取り入れたり、昼休みにオンラインヨガや軽い体操のセッションを実施したりすることで、在宅勤務者も気軽に参加できます。こうした活動は、チームの一体感の維持にもつながります。
最後に、運動を継続しやすい環境づくりも大切です。スポーツクラブとの法人契約や、運動施設利用に対する補助制度の導入などは、従業員の健康増進を後押しするだけでなく、福利厚生の充実として採用・定着の強化にも寄与します。
ストレスチェックを外部委託することで、専門的な視点から客観的な分析が可能になります。集団分析の結果を踏まえ、特定の部署に運動プログラムを優先導入するなど、戦略的なメンタルヘルス対策が実現します。
重要なのは、「義務だから実施する」ではなく、「職場改善のための情報源」として活かす姿勢です。科学的根拠に基づいた運動施策を位置づけることで、より実効性の高い職場づくりにつながります。
メンタルヘルス対策というと「不調になった人への対応」が注目されがちですが、本当に重要なのは未然予防です。運動は薬物療法や心理療法に匹敵する効果を持ちながら、副作用がなく、コストも低い優れた手段です。
まずは、週1回のストレッチや月1回のウォーキングなど、小さな一歩から始めてみましょう。
従業員一人ひとりの心身の健康を守ることは、職場全体の活力と生産性向上への投資にもつながります。
まとめ
運動とメンタルヘルスの関係
運動の抗うつ効果(エビデンス)
運動がメンタルヘルスに与える効果(生理・心理・社会の3側面)
適切な運動量と注意点
職場での運動促進施策
ストレスチェックとの連携と健康経営
STRESCOPE(ストレスコープ)サービスは主に以下の特徴があります。
現状・課題の可視化:
表面的な結果だけでは見えない、組織の深層にある課題をデータに基づいて可視化します。
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