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心理的安全性

心理的安全性が保たれた職場環境とは?人事・労務担当者が押さえておきたい考え方と対応策

はじめに:なぜ今、心理的安全性が重要なのか

現代の職場環境において、「心理的安全性」という言葉がこれほどまでに注目されているのはなぜでしょうか。
その背景には、長期的に人材を確保することの難しさ、多様な働き方の広がり、そして健康経営の普及に伴うメンタルヘルスへの関心の高まりなどがあります。

こうした流れのなかで、人事労務担当者が心理的安全性というテーマにしっかり向き合うことは、組織の生産性向上と従業員の幸福度向上という二つの目標を同時に実現する大きなカギとなります。従業員が安心して意見を述べ、挑戦できる環境は、まさに「いきいきと働ける職場づくり」の土台なのです。

本記事では、その心理的安全性が組織にもたらす効果と影響、そして人事労務担当者の皆様が実際に取り組める「心理的安全性を高めるための5つの実践ポイント」を詳しく解説しています。ぜひ本記事を職場環境改善の一助としてお役立てください。

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心理的安全性が保たれた職場環境づくりのためのコミュニケーション

心理的安全性とは何か


心理的安全性を正しく理解するためには、まずその定義を明確にする必要があります。これは「チームメンバーが対人関係上のリスクを恐れることなく、自分の意見や懸念、ミス、質問を率直に話すことができる環境」を意味します。つまり、「相互に尊重しあえる土壌があるかどうか」が鍵となります。

重要なのは、心理的安全性が単なる「居心地の良さ」や「甘やかし」とは根本的に異なることです。建設的な対話と学習を促進し、結果として組織のパフォーマンス向上に貢献する文化的基盤と言えるでしょう。

例えば、会議中に若手社員が新しい提案をしたとき、それが実現可能であるかどうか以前に、「そんなの無理に決まってるよ」と笑い飛ばされたとしたらどうでしょうか。このような体験が一度でもあれば、次からは発言を控えるようになります。逆に、「面白い視点だね」「もっと詳しく聞かせて」と前向きな反応が返ってくれば、その社員は次も意見を出そうと努めるでしょう。
このように、心理的安全性は一人ひとりのチャレンジや対話、学習行動を促す基盤となるのです。

心理的安全性が組織に与える効果

心理的安全性は、ハーバード・ビジネス・スクールのエドモンドソン教授が「チームにおける心理的安全性」を提唱したことから始まり、その後Googleが実施した「プロジェクト・アリストテレス」という大規模研究を契機として広まり、高いパフォーマンスを発揮するチームの最も重要な要素として「心理的安全性」が特定されました。この研究結果は、多くの企業が心理的安全性の構築に本格的に取り組むきっかけとなっています。

心理的安全性の高い職場では、従業員がより積極的に発言し、創造的なアイデアを提案し、問題を早期に報告する傾向があります。その結果、イノベーションの創出、品質の向上、そして組織全体の学習能力の向上が期待できるのです。心理的安全性が組織に与える効果は、例えば次のようなものがあります。

心理的安全性が組織に与える主な効果

情報共有の活性化
ミスや問題点も含めて、率直な報告・相談が増える。1)


創造性と提案力の向上
自由なアイディア出しが可能になる。2)


エンゲージメントの向上
個人の主体性が育ち、仕事へのモチベーションが高まる。3)


離職率の低下
従業員が安心して意見を述べたり助けを求めたりできるため、職場への信頼感や帰属意識が高まり、結果として離職率が低下する。4)


学習文化の醸成
反省やフィードバックを通じた成長が促進される。5)


レジリエンス(回復力)の向上
失敗や挫折を経験しても、それを成長の機会として捉え、従業員のレジリエンス(困難から立ち直る力)が向上する。6)


【出典】
1)Psychologically Safe for Some, but Not All?
2)心理的安全と創造性のメカニズムに関する研究
3)The Impact of Psychological Safety on Work Engagement and Work Withdrawal: Exploring the Mediating Role of Affective Commitment
4)Psychological Safety as an Enduring Resource Amid Constraints
5)心理的安全性向上のための実践的介入に向けた知見の整理と今後の展望1)
6)Workplace team resilience: A systematic review and conceptual development


このように、心理的安全性の醸成は単なる「人間関係の良さ」ではなく、業績や生産性にも直結する経営課題のひとつともいえるでしょう。

心理的安全性を構築する4つの因子


心理的安全性は多くの要素から成り立ちますが、Googleの「効果的なチームに関する研究(プロジェクト・アリストテレス)」や、その後の心理学・組織論の知見を踏まえ、「心理的安全性を構築する4つの因子」と整理されることが多くあります。その4つの因子とは、「発言のしやすさ」「相互支援」「挑戦のしやすさ」「多様性の尊重」です。

心理的安全性を構築する4つの因子

①話しやすさ(発言のしやすさ)
「発言できる安心感」が、チームの健全なコミュニケーションを生みます。
・自分の考えや疑問を気軽に言える。
・失敗や弱点を正直に話しても責められない。


②助け合い(相互支援)
「一人で抱え込まなくていい」という安心感が、挑戦とその継続を支えます。
・困ったときに仲間や上司に相談できる。
・サポートし合う文化が根付いている。


③挑戦のしやすさ
「やってみよう」という挑戦心が自然に生まれ、イノベーションにつながります。
・ 新しいアイデアや改善提案が歓迎される。
・失敗しても学びと成長の機会として扱われる。


④多様性の尊重
「自分らしく働ける」ことが、心理的な安心感を生みます。
・個々の背景や価値観の違いが認められ、排除されない。
・意見の違いをポジティブに捉える文化がある。


これら4つの因子がバランスよく揃ったとき、従業員は 「自由に話せる・助けてもらえる・挑戦できる・自分らしく働ける」と実感し、心理的安全性が高い組織文化が育まれます。

心理的安全性が不足している職場が抱えるリスク

一方で上記の4つの因子が不足している職場、つまり心理的安全性が損なわれた職場では、雰囲気の悪化にとどまらず、情報共有や意思決定の遅れ、人材流出など、ビジネス全体に影響するリスクが高まります。次に、こうしたリスクがどのように現れるのか、具体的な例を見ていきましょう。

心理的安全性が不足している職場が抱えるリスク

業務上の重大事故やトラブルの増加
失敗や不具合を隠すことで、問題が大きくなるまで発覚せず、重大な事故やトラブルにつながる可能性がある。


情報共有の停滞による意思決定の遅れ
必要な情報が上層部や他部署に伝わらず、誤った判断や対応の遅れを招く。


イノベーションの阻害
新しいアイデアや提案が出しにくくなり、挑戦が減ることで、成長や創造の機会を失ってしまう。


メンタル不調者の増加
孤立感や無力感、不安感が高まり、ストレスが高い状態が続くことで、燃え尽き症候群やメンタルヘルス不調を発症するおそれがあり、長期休業発生による労働生産性の低下をもたらす。


離職率の上昇・人材流出
発言しづらい・意見が尊重されない環境は従業員のモチベーションを下げ、優秀な人材が離職してしまい、人材の確保が難しくなる。

心理的安全性が不足している職場を早期に発見するためのポイント

前述のリスクを防ぐため、人事労務担当者として重要なのは、職場の心理的安全性が不足しているサインを早期に発見し、早期に対処することです。これらのサインは必ずしも表面化しやすいものではありませんが、人事労務担当者が心理的安全性の不足を見極めるには、データ(ストレスチェック・離職率) と 現場観察(会議や日常の雰囲気)の両面から確認することが大切です。

心理的安全性が不足した職場を早期に発見するポイント

ストレスチェックや社員アンケートの活用
ストレスチェックや従業員アンケート(社員満足度調査やエンゲージメント調査など)で、「自由に意見が言える」「上司や同僚に相談できる」 といった設問に対する回答に注目する。これらの結果とあわせて必要に応じて従業員との対話を行うことで、職場実態を把握する。


会議や日常コミュニケーションの観察
現場のコミュニケーションの様子を観察する。強い言葉を投げかけていたり、全体の雰囲気が重い場合には、心理的安全性が不足している可能性がある。また、リーダーの姿勢は心理的安全性に直結するため、上司が部下の意見にしっかり耳を傾けているか確認する。


離職・異動の傾向の確認
特定の部署から退職や異動希望が集中していないかを確認する。人事労務担当者は単なる人数の増減だけでなく、離職や異動の理由や背景に耳を傾ける必要がある。従業員面談等で率直な声を拾い上げることで、見えにくい組織課題を把握でき、早期対応につなげる。


繰り返されるミスについての調査
特定の部署でミスが相次ぐ状況には、心理的安全性の不足が影響している可能性がある。心理的安全性が低いと「怒られる」「評価が下がる」という恐れから、ミスが発生しても報告が遅れたり隠される傾向が強まり、問題が大きくなりやすい。本来ならミスを共有することで全員が学べるはずが、原因分析や改善が進まず、同じようなミスが繰り返される可能性が高くなる。


人事労務担当者の皆様は、これらの確認項目を日々の業務の中で意識しながら、心理的安全性が不足している職場がないか、気を配ることが大切です。
それでは、心理的安全性が保たれた職場環境づくりのために、会社の人事労務担当者は具体的に何を実践すればよいのか、確認してみましょう。

心理的安全性が確保された職場づくりのために人事労務担当者ができること(5つの実践アプローチ)

心理的安全性の高い職場を築くには、前述の4つの因子「発言のしやすさ」「相互支援」「挑戦のしやすさ」「多様性の尊重」に注目することが有効です。これらを日々の現場でどう実現していくかが、大きなポイントとなります。
本稿では、人事労務担当者が日常の業務の中で実践できる具体的な働きかけを、5つの視点に整理してご紹介します。

1. 透明性のあるコミュニケーション文化の確立

評価や意思決定の基準が明確で、公平性が担保されることが従業員の安心感につながります。人事労務担当者としての取り組みとしては、以下のような事例があげられます。

・経営方針や変更点を丁寧に説明する
・評価基準を明示し、公平性を強化する
・努力や成果が正しく認められる仕組みを整える

2. 失敗から学ぶ組織文化の醸成

失敗を責めるのではなく「学びの機会」として活かすことで、挑戦意欲が育まれ、多様なアイデアが生まれます。

・リーダーが自ら失敗談や学びを共有する
・会議や評価制度で「学びに変える」仕組みを導入する
・チーム全体で定期的な振り返りの場を設ける

これらの工夫を積み重ねることで、失敗を恐れず挑戦できる文化が育まれ、心理的安全性の高い職場づくりへとつながります。

3. 多様性を尊重する環境づくり

年齢、性別、国籍、価値観の違いを単に受け入れるだけでなく、それらの違いが組織の強みになることを全員が理解している状態が理想です。また、介護や育児など個々の事情に応じた働き方を選択できるようにすることも求められます

・柔軟な働き方(テレワークやフレックス)の導入
・無意識の偏見に関する研修を実施する
・部門や世代を超えた交流の場をつくる

4. 継続的なフィードバック文化の構築

フィードバックを特別なイベントにせず、日常的に行うことで信頼関係が深まります。

・上司・部下・同僚間で双方向のフィードバックを促す
・1on1や会議で短い振り返りを習慣化する
・定期的な研修やアンケートで質を高め続ける

5. リーダー層や管理職への働きかけ

管理職が心理的安全性を体現する行動をとることで、組織全体に波及します。

・自らのミスを認め、部下の指摘を受け入れる
・意見を頭ごなしに否定せず、まず理解する姿勢を示す
・成功事例を共有し、管理職同士で学び合う場を設ける


また、これら5つのポイントを実践するうえでは、心理的安全性と深く関わる「傾聴のスキル」を身につけておくことが非常に重要です。人事労務担当者自身が、管理職や従業員の声に真摯に耳を傾け、共感をもって受け止める姿勢を示すことで、信頼関係の土台が築かれます。傾聴の姿勢を保ちつつ丁寧な対話を重ねることで、各取り組みの効果を最大限に引き出すことができるでしょう。

傾聴に関する詳しい記事はこちら

心理的安全性の導入で直面しやすい反発と対処法

心理的安全性を高めようとする過程で生じがちな反発

心理的安全性の構築を進める際に、組織内で抵抗に遭遇することは珍しくありません。「甘い環境になってしまう」「厳しさが失われる」といった懸念を持つ管理職や従業員がいることも事実です。
こうした抵抗に対しては、心理的安全性の本質的な意味と効果について丁寧に説明することが重要です。具体的な成功事例やデータを示しながら、心理的安全性が組織のパフォーマンス向上につながることを理解してもらう必要があります。

段階的な導入アプローチ

全社一斉に心理的安全性の構築を進めるのではなく、段階的なアプローチを取ることが現実的です。まずは理解度の高い部門や管理職から始め、成功事例を作りながら徐々に拡大していく方法が効果的です。
その効果を検証してから本格的な展開を行うことで、リスクを最小化しながら確実な成果を上げることができます。

まとめ

心理的安全性が注目される背景

  • 人材確保の難しさ、多様な働き方の広がり、健康経営の普及とメンタルヘルスへの関心の高まりが背景にある。

心理的安全性の定義と重要性

  • 対人リスクを恐れず意見や疑問を出せる環境を意味し、単なる居心地の良さではなく学習と成長を促す基盤となる。

組織に与える効果

  • 情報共有の活性化、創造性の向上、エンゲージメントの強化、離職率低下、学習文化やレジリエンスの醸成など、生産性向上に直結する。

構築の4因子

  • 「発言のしやすさ」「相互支援」「挑戦のしやすさ」「多様性の尊重」が心理的安全性の核となる。

不足した場合のリスク

  • ミスや事故の増加、情報共有の停滞、イノベーション阻害、メンタル不調や離職率上昇など、組織全体への悪影響が生じる。

人事担当者に求められる行動

  • ストレスチェックやアンケート、現場観察、離職・異動傾向の確認などで兆候を早期発見し、具体的アプローチ(透明なコミュニケーション、失敗からの学習、多様性尊重、継続的なフィードバック、管理職への働きかけ)を実践する。

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