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ストレスチェック実施後の集団分析は努力義務とされています。ストレスチェックを実施した事業所(会社)のうち、集団分析を実施している事業所は70%を超えており、多くが集団分析を実施していることが分かります。せっかく集団分析を実施したのであれば、その効果的な活かし方について、詳しく知りたいと思う方も多いのではないでしょうか。本ホームページにおいても、過去の記事で集団分析の効果的な活用方法についてご説明してきました。
過去の記事では、「集団分析の結果を、どのように職場環境改善に活かすか」という点に着目してご紹介をしてきましたが、本記事では産業保健師である執筆者が実際の職場環境改善活動の事例をご紹介しながら、「ストレスチェック後の集団分析の結果を用いた、職場環境改善の実例」を皆さまにお伝えします。
集団分析について詳しく知りたい方は、過去の関連記事もご参照ください。
過去記事はこちらから
・ストレスチェック集団分析の効果的な活用方法/前編
・ストレスチェック集団分析の効果的な活用方法/後編
まずはじめに、集団分析結果の見方について簡単にご説明します。一般的なストレスチェックの集団分析では、組織ごとのストレス状況を「仕事のストレス判定図」というものを用いて可視化しています。ここでは調査票として厚生労働省が示している「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を用いた場合のストレス判定図を例としてお伝えします。
よく利用されている仕事のストレス判定図には以下の2種類があり、仕事の量的負担やコントロール、同僚や上司からの支援など合計4つの尺度を用いて、組織ごとの平均点を算出し、判定図上にプロットします。それぞれ、濃い色で示された領域に近くなれば近くなるほど、リスクが高い状態とされています。
上記4つの尺度をもとに「健康リスク」という指標が算出されます。上の図の斜め線の上部に書かれた数字がこの健康リスクです。また、それぞれの健康リスクからは、さらに「総合健康リスク」と呼ばれるものが算出されます。
一般的には、「総合健康リスク」の数値が高いほど健康障害が発生するリスクが高いとされています。明確な基準はありませんが、総合健康リスクの全国平均は100程度であり、120を上回るとストレスによる健康被害のリスクがやや高く、負担の大きい組織であると言われています。職場環境改善が必要かどうかは、この数値だけでなく、部署ごとの高ストレス者の割合や、休職者の発生状況、離職率など、さまざまな要素を総合的に判断する必要があります。
ここからは、筆者が企業の保健師として実際に職場環境改善に取り組んだ事例をもとに、職場環境改善の方法についてより実践に即した内容をお伝えします。
職場環境改善の対象となった組織の組織長に対し、「仕事のストレスによる健康被害のリスクが通常より高めであり、職場環境改善が必要であること」を説明し、理解を得ることが大切です。
気を付けるべき点は、集団分析の結果リスクが高かったからと言って、決してその組織が責められることがあってはならないという事です。
組織調に説明する際は、従業員一人ひとりが快適に働ける職場環境を整えることで、労働生産性やワークエンゲージメントを向上することを目的とすることを伝えると、理解や協力が得られやすいでしょう。
職場環境改善のためには集団分析の結果から分かったことから裾野を拡げて、その組織特有の課題を発見し、改善に着手する必要があります。ここでは組織特有の課題を発見する方法について、実際に実践した例をいくつかお伝えします。必ずしもこの方法が正解ということではありませんが、初めて職場環境改善に着手するという方は、ぜひ参考にしてみてください。
実際にその組織で働くメンバーにヒアリングを行い、実際の組織の状況を確認することで、課題と課題に対する打ち手が見えてきます。
ヒアリングは個別に行っても、グループディスカッション形式で行ってもどちらでも構いません。個別にヒアリングを行う場合は従業員の本音を引き出しやすいというメリットがある一方で、意見が偏らないよう複数の従業員に対してヒアリングを行う必要があり、時間がかかってしまう側面があります。ヒアリング対象者の選定方法も特に決まりはありません。従業員の挙手制や、組織長に気になるメンバーを聞いて選定する方法もあります。
組織長からも情報収集ができるとよいでしょう。メンバーの発言だけからでは見えてこない、マネジメント層からの客観的な意見も参考になります。また組織長に話を聞くことで、職場環境改善のためにすでに組織で取り組んでいることや、実際にすでに上長が取り組んでいることについても確認することができます。
このようにメンバーと組織長それぞれにヒアリングした内容を統合することで、組織の課題がみえてきます。しかし組織のメンバーや上長にヒアリングを行うといっても、「何をヒアリングしたらよいのか分からない」という方もいらっしゃるでしょう。ここでは、組織特有の課題を把握し、職場環境改善に活かすためのヒアリング内容例について幾つかご紹介します。もちろんこの内容だけが全てではありませんので、ぜひ本内容を参考にしながら、ご自身の会社や組織に合う形でヒアリング内容を検討してみてください。
ヒアリング内容の例:
ー時間外労働の状況
ー上司や部下、同僚とのコミュニケーション状況(コミュニケーションの取りやすさなど)
ー仕事のやりがい
ー仕事の裁量度や仕事の量
ー職場内での役割
ー仕事の物理的な環境(温度や騒音、スペースなど物理的な環境について)
ー改善してほしいことはあるか、どのような改善が為されればさらに働きやすくなるか
ー仕事をする上で困っていることはあるか
ープライベート(介護や育児など)で抱えている問題はあるか ※プライベートの問題が対象者に与える影響について確認するため
上記のほか、厚生労働省資料「職場環境改善のためのヒント集」の内容を参考に、課題がないか確認してみるのも効果的です。
健康リスクが低かったり、休職者の割合や離職率が低い部署があれば、そのような部署にもヒアリングを行い、組織独自で取り組んでいる事等があれば、好事例として他の組織に共有することも効果的です。
情報を組織長や社員同士で交換する事ができれば、他の部署との交流のきっかけとなり、会社全体で社員同士のコミュニケーションも盛んになるでしょう。
組織長や社員へのヒアリングや意見交換の場で出てきた情報を統合させ、いくつか組織特有と思われる課題と、強みを書き出します。
例えば、よくみられる課題や強みには、それぞれ以下のようなものがあります。
【課題の例】
ー仕事が属人化しており、相互支援が得づらい環境である
ー上司が複数のプロジェクトを掛け持ちしており、一人ひとりの従業員にラインケアが及びづらい
ーリモートワークが多く、上司や同僚とコミュニケーションを取る機会が少ない
ー慢性的にひと月あたりの時間外労働時間が長くなっている 等
※もしもヒアリングのなかでハラスメントが疑われた場合は、迅速に会社の規程に従って対応する必要があります。万が一ハラスメントが疑われた場合は、本人同意の上、関連部署と連携しながら適切に対応してください。
【強みの例】
ー公平・公正に評価を受けることができる
ー困ったことをすぐに相談しやすい雰囲気がある
ー若手が挑戦しやすい雰囲気がある 等
把握した組織特有の課題に対し、それぞれ改善計画を立てます。改善計画については、すでに実行しているのでも構いません。現在進行形の場合は、いつまでにどのような状態となっているのが望ましいのか、改めて期間と目標を設定すると良いでしょう。
大切なことは、改善計画はその計画を実行する人が自ら策定することです。改善は現場のメンバーレベルで改善できるものから組織長レベルが改善を検討するもの、さらに組織長よりも上の経営層レベルが検討するものがあります。
そのため改善計画の内容によっては、組織長だけでなく、経営層を巻き込んで対応しなければならない場合もあります。
ストレスチェックは職場のメンタルヘルス対策の基礎となるものであり、集団分析の結果を契機に経営層も巻き込むことで、職場全体のメンタルヘルス対策を加速させることができます。計画を策定する際や計画策定後に、会議等で計画や進捗状況を発表することで、会社全体でメンタルヘルス対策が推進され、従業員のメンタルヘルスを大切にする風土づくりにもつながっていきます。
このような活動を始めるときは、時に組織や上層部の理解が得られ辛いと感じることもあるかもしれません。私自身、職場環境改善に取り組む中で、改善策を提案しても、『それは分かりきったことだ』『改善しようとしているが、変わらない』という声を聞くことがありました。
職場環境改善は簡単ではなく、すぐに結果が出ないことがほとんどです。効果が見えなくても、粘り強く改善活動を続けることが重要です。
厚生労働省の資料「事業場におけるメンタルヘルス対策の取組事例集」や職場のメンタルヘルス対策の取組事例では、様々な業種ごとに職場環境改善のための取り組み事例が紹介されています。
ぜひそれぞれの会社の具体例を参考に、ご自身の会社で取り入れられるものがあれば、活用してみてください。
ご説明してきた通り、ストレスチェックの集団分析は、その結果を適切に活かすことで社内全体のメンタルヘルス対策の推進に繋げることができます。「職場のメンタルヘルス対策について、何から始めたら良いのか分からない」「職場環境改善を何から取り組んでよいのか分からない」という方は、年に1回のストレスチェックを最大限に活用することから始めてみましょう。集団分析の結果を職場環境改善活動に活かす過程で担当者のみに留まらず、現場の管理者や従業員そして経営層までをも巻き込みながら推進することで、メンタルヘルスを大切にする職場風土が形成されるのです。
前述の職場環境改善方法はあくまで一例であり、集団分析の活用方法についてこれが絶対に正解、ということではありません。本記事の事例をヒントに、皆様の属する組織特性に合った方法で、ストレスチェックの結果を職場のメンタルヘルス対策に活かしてください。
こどもみらいのストレスチェックSTRESCOPE(ストレスコープ)では、弊社独自の集団分析の方法を用いることで、「組織改善の羅針盤」として、職場環境改善のための打ち手を、多角的に見える化することができます。
一般的な集団分析とは異なり、生産性やワーク・エンゲージメント、潜在的な離職のリスク等に着目し、それぞれストレスチェックの結果とかけ合わせた集団分析を提供しています。一般的な集団分析では「具体的に何をすればよいのか改善に繋がるのか」が見えづらいこともありますが、STRESCOPE(ストレスコープ)では職場改善の次の一手が分かる分析が特徴です。
「職場のメンタルヘルス対策について、何から手をつけたらよいのか分からない」「ストレスチェックを社内全体のメンタルヘルス対策のひとつとして位置づけたい」という方には、当社の集団分析レポートが効果的です。興味・ご関心のある方はぜひお問い合わせください。
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