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ストレスチェック

職場環境を改善するには?具体例やコミュニケーション例なども解説

こんにちは。こどもみらい 保健師のS子と申します。
保健師として約7年、特にメンタル不調者への対応やメンタルヘルス関連施策の企画立案と実施に携わってまいりました。そんな私から、今回はストレスチェック後の集団分析、そして職場環境改善をテーマに、実務を通じて感じた所感をお伝えします。

あくまで本記事は企業の保健師として感じてきた主観的な意見も多く含まれます。
現場で働く産業医や保健師でも、遵守すべき法律や基本的な考えに相違はありませんが、何を軸に行動するか、何を優先するかは個人によっても異なります。
そのため本記事の記載内容は全て正しいという訳ではありません。本記事をお読みくださった皆様にとって、何かひとつでもストレスチェックの集団分析や職場環境改善について、新しい考えと出会う一助となれば幸いです。

まずはストレスチェックを「ちゃんと」やることから

保健師としていくつかの会社を担当していたこともあり、今まで多くの会社のストレスチェックを見てきました。そのなかでストレスチェックをやりっぱなしにせず、集団分析を行い結果を活用することの大切さを感じてきましたが、一方でストレスチェックの結果だけで全て解決することは難しい、ということも同様に感じています。
ストレスチェックの実施後に集団分析を行うことで、ある程度健康リスクの高い集団は明らかになりますが、その集団にアプローチをしたからといって、メンタル不調者の発生がゼロになるわけではありませんし、ストレスが高いとされていなかった組織からもメンタル不調者が発生する可能性は十分にあります。

集団分析結果の活用や、ストレスチェックの質を高めること

ストレスチェックの集団分析の結果は、あくまで会社で推進するべきメンタルヘルス対策のひとつであり、それだけでメンタルヘルス対策が十分であるとは言い難いのが事実です。
とはいえ、ストレスチェックは従業員が50人以上の会社に対して法律で定められた一年に一回のイベントであり、メンタルヘルス対策を始める第一歩としてはもっとも相応しい契機であると言えるでしょう。

プラスアルファのことをするよりも、まずは法律で定められたストレスチェックをしっかりと実施し、集団分析をきちんと行うことが大切です。今まで「なんとなく」ストレスチェックを実施してきたかもしれない…という心当たりのある企業の担当者さまは、まずはストレスチェックの回答率を高める工夫を行ったり、集団分析の結果を活用したり、ストレスチェックの質を高めることからはじめてみましょう。

職場環境改善とストレスチェック

早速ですが、「職場環境改善」と聞いて皆さんが思い浮かべることはどんなことでしょうか。
職場環境の改善が大切であることは知っている方が多い一方で、職場環境改善のためには具体的に何をしたらよいか、すぐに思い浮かぶ方はそう多くはないでしょう。

集団分析で活用される二つの尺度

職場環境改善について話をする上で、ストレスチェック後の集団分析でしばしば活用される二つの尺度に着目しましょう。
一つ目は、仕事の量的負担や、仕事がどれほど自分の裁量でできるかといった仕事そのものに着目した尺度、二つ目は上司からの支援や同僚の支援といった、いわば職場の人間関係やコミュニケーションに着目した尺度です。
仕事の要的負担や仕事の裁量度については、しばしば仕事の行程や納期、役割分担の見直し等が対策として検討されることが多いですが、ここでは特に二つの尺度のうち、後者の「職場の人間関係に着目した職場環境改善」について、保健師としての実体験を交えてご紹介します。

心理的安全性を高めるには?

心理的安全性が担保された職場では、組織に対する安心感・満足感が高まることでしばしば従業員のワークエンゲージメントの向上が期待されます。では、心理的安全性とはどのように高めることができるのでしょうか。
想像してみましょう。

店舗型で働く新入社員の例

あなたは店舗型で事業を展開している会社に入って1年目の新入社員だと想像してください。業務に必要最低限な研修を受けたので、早速現場に配属です。会社は人員削減として、各店舗に2、3人ずつしか従業員が配置されていないようです。
シフトで勤務しているため、先輩がお休みの日は2人、時には1人で業務を回さないといけません。

明らかなハラスメントはありませんが、分からないことを聞いても十分な答えが返ってこなかったり、嫌味を言われたり、何かにつけて言い方にも棘があり、先輩とは話し辛く、分からないことがあってもなかなか聞くことができません。

上記のような状況は心理的安全性が担保されていると言えるでしょうか。多くの方は「NO」と答えるかと思います。
上記は私が以前勤務していた会社でよくみられた事例でした。

上司から部下へのコミュニケーションの重要性

では、この新人従業員はどうしたらよいのでしょうか。先輩方に「こうしてほしい」と直接伝えられたら楽かもしれませんが、なかなかそう行かないのが現実です。
メンバー同士の話合いで改善すれば、メンタル不調の発生を事前に予防できるでしょう。しかしながら、実際にこのように自律してメンタル不調を予防できるようなケースは多くはありません。
そこで、次に皆さんが思いつくのが「直属の上司に相談する」ということでしょう。

実はこの「上司」こそ、私が保健師として勤務をしているなかで体感した職場環境改善のキーパーソンなのです。もちろん上司の存在が全てというわけではありませんが、上司の部下への接し方と部下の話の聞き方、そして声掛け一つで職場環境は大きく変わるといっても過言ではありません。上司と部下の間で信頼関係が構築されている組織は、部下の仕事のやりがいやワークエンゲージメントが高まる傾向にあります。

つまり、上司は職場環境を語る上での「キーパーソン」と言えるでしょう。
実際にストレスチェックの集団分析でも、「上司からの支援」が従業員の健康に比較的大きな影響を与えていることが示されてます。

では、部下と信頼関係が築ける上司、職場環境に良い影響を与える上司とは具体的にどのような上司なのでしょうか。保健師としてこれまでに色々な上司と部下との関係をみてきました。
そのなかで、比較的メンタル不調者が発生しづらく、不調者が発生しても重症化や再発予防ができる上司にはどのような特徴があるのか、具体的に記述します。

上司から部下へのコミュニケーション例

最初に、以下に記載するのは「仕事ができる/できない」という観点からの良い上司/悪い上司ということではありませんので、その点はご留意ください。
職場環境の改善や部下との信頼関係を築く上での参考情報の一つとして捉えていただければ幸いです。

(1)部下の変化に早期に気付き、自ら声をかけることができる

部下の出社時間や始業時間、服装や休憩時間の様子…普段の部下の様子に気を配っている上司は、部下の変化に速やかに気付くことができます。

例えば以前は時間に余裕をもって出社していた社員が急に始業時間ギリギリに出社するようになった、休憩中以前はみんなで談笑していたのに急に一人で過ごすようになった、以前は化粧や洋服などがきちんとしていた従業員の身だしなみが整っていない…
このような「普段と違う」部下の様子に気付き、さらに自ら部下に「最近様子がいつもと違うように見えるけど、何か困ったことや改善できるような事はあるか」と自ら声をかけることが大切です。

このような上司の対応は、メンタル不調者の早期発見や、休職までに至るような状態になる前に何かしらの対処や調整を行うことにも繋がります

(2)部下の話をよく聞き、自身の考えを押し付けない

部下から相談を受けたとき、上司のなかには「こうするのがよい」「きっとそれはこうに違いない」と、上司の考えばかりを部下に伝える方もいます。特に仕事のできる、経験豊富な上司の方に多くみられる傾向があります。しかし、悩みを打ち明けけた部下の立場からすると、どうでしょうか。『自分と上司は違うのに…』自分の悩みを分かってもらえなかった、受け止めてもえらえなかった』それができたら苦労しない』という感覚を持たないでしょうか。

まずは部下の話に誠心誠意、耳を傾けてみてください。もちろん、部下の言うことをなんでも黙ってきく、なんでも部下の言っていることに従うということではありません。

途中で口を挟みたくなっても、部下の話に区切りがつくまで、一旦我慢をして耳を傾けてみてください。
上司側からすると『そういう考え方だからいけないんだ』『その考え方は間違っている』と思うこともあるでしょう。
しかし、上司が一方的に指導・アドバイスをしてしまうと、部下は『上司からの考えを押し付けられるだけだから、もう話すのをやめよう』という気持ちを持って、自ら相談してこなくなってしまうかもしれません。
そうなってしまうと、部下と関係を深めたり、信頼関係を構築したりすることが難しくなり、結果、組織のなかでの相互支援が得られにくい環境となってしまうでしょう。

そのためまずは部下が『話をきいてもらえた』『自分を受け止めてもらえた』と思ってもらえることが良い職場環境づくりの第一歩と言えるのではないでしょうか。

(3)部下の本音を引き出すことができる

部下の話によく耳を傾けることができる上司は、部下の本音を引き出すことが得意です。
人は自分の考えや思いを受け止めてもらえたという安心感があると、その人に対して本音で話せるようになります。
表面上は部下と話すことできていても、部下が上司に気を使って本音を言わなければ、部下の困っていることを引き出すことができず、結果として職場環境の改善には至りません。

部下が何に困っているのか、何を課題に感じているのか。部下の本音を引き出すことで、より良い職場環境づくりのためには具体的に何を改善したらよいか、改善策を検討することができます。
「自分の考えや思いを受け止めてもらえた」という安心感は、自分の考えを相手に押し付けず、相手の話をしっかりと傾聴したときに得られます。
つまり部下の本音を引き出すためにも、部下の話をよく聞き、上司の考えを押し付けないことが大切だと言えます。

職場環境を改善するには上司へのメンタルヘルス教育や会社の取り組みが大切

これまで職場環境に良い影響を与える上司の態度についてご紹介してきました。
読者の皆さんのなかには、「そんな理想的な上司がいたら困らない」「理想論だ」と思われる方もいるかもしれません。確かに、はじめから自然に部下の話をよくきいたり、本音を引き出したりできる上司は多くはないでしょう。しかし部下へのメンタルヘルスケアに必要な知識を学び、少しずつ実践していくなかで、少しずつ職場環境の改善につながるような、部下との良好なコミュニケーションを取れるようになってきます。

上司が職場環境改善のキーパーソンとしての役割を果たすこと

「ただメンタルヘルスケアに関する知識を学んだだけで、本当に職場環境の改善につながるの?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、実際に「どういった事象がメンタル不調につながりやすいのか」「メンタル不調者に対してはどのように対応したらよいのか」といった小さな知識の積み重ねや、日々の部下とのコミュニケーションでの実践を通じて、少しずつ上司が職場環境改善のキーパーソンとしての役割を果たし、やがて上司個人だけではなく、会社全体の意識・取り組みとなった事例を保健師としていくつも見てきました

ラインケア教育について

集団分析で健康リスクが高いと判定された組織の上司から優先的に、メンタルヘルス教育を行っていくことも有効です。
上司が部下に対して行うメンタルヘルスケアのことを一般的にラインケアといいますが、会社としてラインケア教育を充実させることで、具体的に上司がどのように部下とコミュニケーションをとったら良いのか、管理職に正しい知識を与えることができます。
ラインケア教育の実施例として、テキストや講義形式による学習もよいですが、部署の垣根を越えて管理職を集めた、管理職参加型のラインケアにかかわるワークショップを開催することも効果的です。

ワークショップ形式で出来ること

ワークショップ形式では管理職の生の声を聞くことができるため、より現場の実態に即した形で、職場環境改善に関するヒントを管理職同士で共有することができるでしょう。さらに管理職同士での悩みの共有や、部下とのより良いコミュニケーションのために工夫したことなど、当事者間で意見交換の場を持つことができる点が特徴です。
その結果、管理職自身がラインケアを自分事化でき、より積極的にラインケアに取り組めるようになることが期待されます。

まとめ

これまで記事をお読みくださり、有難うございました。本記事では保健師として多くのストレスチェック実施後の集団分析や、職場環境改善について携わってきた経験をもとに、「職場環境改善の実際」について所感をお伝えしました。
本記事のまとめは以下の通りです。

・職場の職場環境改善の手始めとして、ストレスチェックの集団分析が良い契機となる
・職場環境改善のなかでも人間関係に着目、職場の良好な人間関係を構築するために、上司の果たす役割は大きい
・部下の変化に気付き、部下の話に耳を傾け本音を引き出す上司の態度は、職場環境改善につながる
・職場環境改善のためには、上司へのメンタルヘルス教育も重要である

こどもみらいのストレスチェックサービス STRESCOPE(ストレスコープ)では、独自の切り口が設定できるなど充実した集団分析で、組織の傾向と対策を明確にし、職場環境改善のための「次の一手」を見つけることができます。
職場環境改善にご関心のある企業のご担当者様は、ぜひお気軽にお問合せください

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