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テレワーク成功の鍵は「光の環境」ー STRESCOPEデータを用いた大学共同研究で判明

~「朝の光」と「夜のスクリーン制限」が睡眠を介してメンタルヘルスと生産性を改善する~

STRESCOPEのデータを活用した、東京医科大学(志村哲祥 睡眠学講座客員教授)、東京大学(古井裕司 未来ビジョン研究センター特任教授)を中心とする共同研究の成果が、2026年3月3日に国際的な体内時計の研究における代表的な学術誌「Chronobiology International」に掲載されたことをお知らせいたします。

本研究により、テレワークを健康かつ生産的に行うために睡眠が重要であること、そして、その睡眠の変化において、「光の環境」が決定的な要因であることを明らかにしました。

研究の背景:テレワークは労働者の睡眠やメンタルヘルス、生産性にどう影響するか

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を契機に急速に普及したテレワーク(リモートワーク)は、現在も多くの職場に定着しています。通勤時間の削減など働き方の柔軟性を高める一方で、「リズムの乱れ」や「ON/OFFの境界の曖昧化」といった健康リスクも指摘されていました。しかし、テレワークが労働者の睡眠やメンタルヘルス、生産性にどう影響するかを、個人の変化を追いながら明らかにした大規模な縦断研究はこれまでほとんど存在しませんでした。

研究概要:テレワーク開始前後の変化を分析

本研究は、こどもみらいのストレスチェック「STRESCOPE」利用者で、学術目的のデータ利用に同意している方のうち、2019年にはテレワークを行っておらず、2020年にテレワークを導入した23社・計3,123名を対象としました。2019年(コロナ前)と2020年(コロナ禍)の2時点でデータを収集。テレワーク開始前後の睡眠の質や睡眠スケジュール、睡眠衛生(光環境)、ストレス反応、そしてプレゼンティーイズム(出勤しているが心身の不調により生産性が低下している状態)の変化を分析しました。

主な研究結果:テレワークのプラス面/マイナス面と光環境の重要性

テレワークの「プラス面」と「マイナス面」が睡眠に相反する影響を与えることが明らかになりました。

  • テレワーク開始者では、主に通勤時間が削減されることなどにより、平日の睡眠時間が平均約13分延長しました。睡眠時間の増加は睡眠の改善につながります。
  • 一方で、起床時間が平均約19分遅くなるなど、睡眠リズム(体内時計)の後退も確認されました。睡眠リズムの乱れは睡眠を悪化させます。
  • この二つの相反する効果が打ち消し合うため、テレワーク全体としては睡眠を改善させも悪化させもしないという結果でした。
  • 睡眠の問題はストレス反応とプレゼンティーイズムを共に有意に引き起こしており、睡眠管理がテレワークにおける職場健康の鍵であることが示されました。

 

テレワーク全体としては、睡眠時間の増加(良い影響)と睡眠リズムの後退(悪い影響)が相殺され、睡眠を改善も悪化もさせない。

睡眠衛生(光環境)の重要性

テレワーク開始者を「朝の光環境」と「就寝前のディスプレイ使用」の環境別に比較すると、大きな差が生じていたことがわかりました。

朝に日光が入る明るい寝室の環境にいる者は、テレワーク開始に伴い、ストレス反応と仕事の生産性がともに改善しました。逆に、朝の光が不十分な環境のグループでは睡眠リズムの後退とそれに伴う睡眠の悪化、そしてプレゼンティーイズムの悪化が確認されました。

就寝前にスマートフォンやPCなどのディスプレイを使用しないグループでも同様に、睡眠の質スコアとストレス反応スコアがともに改善しました。

テレワーク開始前後の変化量を、朝の太陽光曝露(A)・就床時のディスプレイ使用(B)の有無で比較すると、朝に朝日を浴びている人や就床時にディスプレイを見ない人は、テレワークにより睡眠や生産性、ストレスが改善した。

研究が示す健康的なテレワークの実践ポイント

  1. 睡眠時間を確保する
  2. 夜ふかしを避け、睡眠リズムの後退を防ぐ
  3. 朝の光(日光)をしっかり浴びる(体内時計のリセット)
  4. 夜寝る前のスマートフォン・PC・タブレット使用を控える

私たちは多くの場合、自宅で太陽光を浴びる機会があまりありません。「朝の強い光は体内時計をリセットする」という慣用表現がありますが、専門的な言葉で、それは「Zeitgeber(時間合わせ信号)」と呼ばれます。多くのオフィスワーカーは通勤時に屋外に出ることで太陽の光を受け、体内時計を整えている可能性がありますが、テレワークにより通勤がなくなると、朝日を浴びる機会が失われ、体内時計や睡眠リズムが乱れやすくなります。

また、自宅でだらだらと遅い時間までPCを用いた作業をしてしまうと、今度は夜遅くなってもディスプレイの光が目に入ってしまい、身体は「まだ夜ではない」と錯覚し、同様に体内時計が乱れる原因となってしまいます。

この研究で示された「テレワーク成功の秘訣」は、朝に強い光を浴びる環境を用意すること、夜遅くにPCやスマホの光を浴びることを避けること、そして浮いた通勤時間を良質な睡眠に回すことです。そして睡眠の改善は、ストレス反応の軽減と、生産性の向上に直結します。

掲載論文の概要

タイトル: “The way to healthy telework: Sleep and sleep rhythm changes as the key factors for maintaining mental health and work productivity”
(日本語:『健康的なテレワークのために:メンタルヘルスと労働生産性の維持に重要な睡眠と睡眠リズムの変化』)

掲載誌 : Chronobiology International(Taylor & Francis)
掲載日 : 2026年3月3日
著者  : 志村 哲祥(東京医科大学 睡眠学講座)、
古井 祐司(東京大学未来ビジョン研究センター)、
高田 優太(株式会社こどもみらい)、
井上 雄一(東京医科大学 睡眠学講座)
DOI   : 10.1080/07420528.2026.2636741
URL   : https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/07420528.2026.2636741

職場環境づくりに活かせるストレスチェックはSTRESCOPE(ストレスコープ)へ

今回の研究に活用されたデータは、当社が提供するストレスチェックサービス「STRESCOPE」を通じて収集されました(回答者のうち、学術目的のデータ利用に同意された方のみ)。
STRESCOPEは、法定ストレスチェックに必要な機能を備えながら、睡眠や生活習慣、生産性、ワーク・エンゲージメントなど多角的な観点から従業員の心の健康状態を可視化・改善できるのが特徴です。


現状・課題の可視化:
表面的な結果だけでは見えない、組織の深層にある課題をデータに基づいて可視化します。


こころとからだを整えるためのセルフケアポイントの配信:
個人結果表では、漫画イラストを取り入れた親しみやすいデザインで、セルフケア力を高めるヒントを楽しく学べる構成になっています。


専任プランナーによる伴走支援:
ストレスチェックを熟知した担当プランナーが、事前準備から集団分析結果のご説明、貴社の状況に合わせた具体的な改善施策のご提案まで、一貫してサポートいたします。ストレスチェックが初めての方や、実務にご不安な方も安心してお任せいただけます。


社内報告の負担軽減:
ご要望に応じて、経営層向けの分析報告や衛生委員会での結果報告などを代行・同席。分析結果の社内フィードバックを円滑に進めるお手伝いをいたします。


実施後の充実サポート:
ストレスチェック実施後の施策実行状況の共有や、更なる改善に向けたご提案など、継続的な職場環境改善をサポートします。


健康経営の推進や働きがいのある職場づくりにご関心のある人事・労務ご担当者様、これまで実施してきたストレスチェックの結果に課題を感じているご担当者様は、ぜひ一度お問い合わせください。

 

 

 

執筆者
株式会社こどもみらい いきいき職場支援チーム

株式会社こどもみらい いきいき職場支援チーム

コラムではメンタルヘルス対策や職場環境改善について、学術的なエビデンスに基づく信頼性の高い情報を、読者の方の組織に活かせる形でお伝えすることを目指して執筆しています。

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